強風

手袋を装備し、上半身のウィンドブレーカーを着る。

下半身の方は最初から履いていた。



「じゃあ、行きます。」



そう言って天身は、助手席のドアを開けた。


その瞬間...



バンッ!!



ドアは強い力で引っ張られ、思いっ切り開いた。

天身は、ドアから手を離してしまった。

外から吹雪が車内に吹き込んでくる!


天身は半身を車から出し、ドアを閉めようとしたが、上手く掴めない。

その間に、雪と冷気が車内に襲い掛かる!


天身は手袋を外した。

そして、外に足を踏み出し、ドアを掴む。

助手席に体を戻しながら、ドアを閉めた。



。o(やべえなこれ)



寒さで体が思うように動かなくなる。

そして強烈な風が、それを後押しする。



「もう少しして、体が暖まったら、やります。」



天身はそう宣言した。


さっきは存在を忘れていたニット帽を、耳を覆うぐらい深くかぶる。

ドアを素早く閉めるために、最初は右手だけ手袋をはずしておく。



「3...2...1...」

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