午前8時20分
吹雪の中、車は美幌峠を走る。
「これは右だ。」
1度ホワイトアウトを経験した雅代は、車の速度を20~30kmの間でコントロールし、視界が戻る度に瞬時にルートを判断するようになった。
ルート指示を頼まれていた天身は...
。o(口出しする方がかえって危ないな)
...と感じた。
逆の事を言ってしまうと、その瞬間にハンドル操作を誤りかねない。
それを雅代も察しているから、「右だね」「左だね」と、逐一言葉に出す。
この辺りの意思疎通は上手く行っていた。
ふと...
。o(頭のおかしいドライバーに追突されやしないか)
...という不安が雅代の頭に浮かんだ。
前も後ろもロクに見えない世界の中、自分達に追い付く速度でこの峠道を上がるクレイジーな奴は、いくら地元民でも居ないだろう...。
そんな事を考えている間に、上り坂が終わり、道は平たくなっていた。
頂上に到達したようだ。
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