日記とあるので、本当の日記かなと思う方もいるかもしれませんが、タグにあるようにこれは嘘日記。「私」が、体験した出来事と食べたものが綴られています。どこか共感できる「私」の心情と、クドすぎずそれでいて美味しそうと感じさせる「食べたもの」の描写が、短い文章の中にぎゅっと詰まっています。疲れた一日の終わりに、この作品を少しずつ読むのが最近の私の楽しみです。このレビューを書いている私自身、美味しいりんごをさくさく食べながら書いていました。やっぱり、一日に一度くらい美味しいものを食べたいですから。
小説家というのは誰しも嘘を書く職業だと思うのですが、きれいに嘘を付くのは難しいものです。この文章は大変綺麗に嘘を並べ立てられており、飲み込んだ時に突っかかりもなくさらりと食べられます。高い想像力と裏打ちされた文章力を感じます。嘘、お一ついかがですか。
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