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仕事帰りにバーに寄った。繁華街の古い低層ビル、裏手の階段で3階まで上がると、非常口めいた鉄の扉がある。

カウンター5席の狭い店で、照明は最低限で暗く、ゆるやかであいまいな音楽が流れている。マスターの背後にある棚には洋酒のびんなどがまばらに並んでいて、その棚の後ろ板にあたるところがステンドグラスになっている。もともと壁が全面ステンドグラスで、そこに棚を作りつけたのだろう。店内の暗さゆえ、外の街明かりが透けてやけに荘厳な雰囲気がある。マスターの顔はいつも陰になってよく見えない。

ミックスナッツとジンライムだけで1時間。飾りのない、澄んだ味のものをゆっくり、ゆっくり摂るのはいいものです。帰宅してからどうにもお腹が空いて、いちご風味のチョコレートを溶かしたホットミルクを飲んでしまったのだけれど。

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