第10話 まずは、新幹線の食堂車で朝食を
「そりゃしかし、「わや」じゃがな。ついていけませんわ、私には」
「山藤さん、「わや」って岡山弁ですかな?」
岡原氏の疑問に、岡山出身の山藤氏が答える。
「はい。岡山弁で「無茶苦茶」という意味ですよ」
「そんなに、「無茶」ですか?」
堀田氏が即座に答える。
「もう十二分に無茶ですよ。しからばその「わや」なお話、ぜひお願いしますよ」
まだまだ赤いワインは残っている。岡原氏は残っているワインを少しずつ、3つのグラスに順に注いだ。あと1杯ずつくらい、ボトルに残っている。
つまみは、すでになくなっている。
ウエイターを呼び、チェイサーの水の入ったグラスに水を注いでもらった。
夜は、まだ更けていない。
堀田教授と山藤氏のリクエストに応じ、岡原名誉教授がその顛末を語り始めた。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
今時の新幹線の食堂車は、4社が参入しておるそうです。ホテル系では都ホテルさんと帝国ホテルさん、それ以外は、日本食堂さんとビュフェ東京さんです。上越線の「とき」には聚楽食堂さんが入っておられるようですが、いずれ機会を見て、行ってみたいと思っております。
それにしても、博多まで開業したおかげで新幹線が忙しくなって、日本食堂さん以外は新幹線だけにシフトされてしまいましたな。
在来線の各列車の味がなくなりつつあるのは辛いところもありますが、これもまあ、仕方ないでしょう。
ここはもう、日本食堂さんの各営業所さんに頑張っていただかなければ。
幸い、その傾向もあるようでしたな。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
岡山に出向くにあたりましては、京都から岡山まで、とにもかくも自由席の特急券を買って、それで参りました。
どうせ山陽側に入れば、席も取れよう。そんな意図です。
まずは京都で朝一番名古屋発の「ひかり」に飛び乗りました。
ちょうど朝食の時間帯や。
新幹線のいいところは、食堂部分を通り抜ける客がいないこと。
これは大いにありがたい。
それで早速、朝食をということで、食堂車に参りました。
朝から和定食など食べるとビールを飲んでしまいかねませんし、何といってもこの後打合せもありますから、酒を飲まぬよう、洋朝食を頼みました。
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