第11話 小窓の食堂車とビュフェの違和感

 本日お話しした「富士」の頃のような本格的なモノと比べましたら、いささか簡便になっておりますが、それでもここは、パンと珈琲くらいの「コンチネンタルブレックファスト」ではなく、卵料理もついている「アメリカンブレックファスト」をいただきました。

 コンチネンタルは、大陸側の朝食をモデルにしたものです。


 乗った列車の業者は、日本食堂さんでした。

 ホテルという感じはしませんが、そうかと言って喫茶店のモーニングよりは幾分高級な感じでして、庶民的な洋定食でしたな。

 さすがに「餌」とまでは申しません(苦笑)。

 あの頃の「富士」のような感じでもありませんで、よく言えば現代的、悪く言えば没個性的な、そんな中での「洋定食」でした。


 そうそう。

 私がたまたま乗ったその列車、食堂車も最近増えてきた「小窓」でした。


 渡辺君のお話によれば、昨年製造された全車小窓の編成に組込まれた小窓の食堂車が3両あって、そのうちの1編成にあたったのだそうです。

 食堂車はつい最近までこれまで通りの大きな窓で作られておりまして、まあ、他の車両のようにたくさんは不要ですから、そんなにはないようです。

 ふと窓を見たら、このところの食堂車の広い窓じゃなくてね、あの小窓ぶりが、戦前の食堂車のような雰囲気を醸し出しておりましたね。

 先ほども話しましたけど、あの「富士」や伊勢参拝列車の頃の食堂車を思い出しましたよ。

 さすがに、「富士」でお会いしたあのおっさんみたいな人もおりませんし、あの日は、朝から酒を飲まれている方は周りを見る限りおられませんでしたな。


 食堂車だけでは難ですので、そのあとビュフェのほうにも出向きまして、こちらでも珈琲をいただきました。

 さすがに、朝から洋定食2食というのもね。

 こちらは食堂車より、若干安価な設定にされていましたね。

 こちらも小窓でしてね、その窓から外を見ましたけど、何かねぇ、食堂車と違いまして、これはかなり新鮮な感じもしましたが、いささか違和感のようなものも抱かされました。

 ビュフェでそんな窓の車両は、言われてみればこれまでなかったですからねという渡辺さんのお言葉で、その理由がはっきりしましたね。

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