第14話 大山おこわ定食にありつき、ビールも進んだ。

 その代わり、郷土料理という枠での「大山おこわ定食」、確かにありました。

 さっそく追加のビールとともに頼みまして、これをぼちぼちつまみにいただきました。山菜もよろしいが、何と申しても出雲そばが絶品でした。わんこそばよろしく何杯もお替りいきたかったですけど、まあそれはやめときました。


 実は、「おこわ」が来た時点で、一応、会計を済ませて領収書を受取っておきました(苦笑)。


 実はその後、また、ビールを頼みましてね。

 食事も終わったことですから、単品で何かないかと思って、1品、ポークカツを定食ではなく単品で注文しましてね。

 そういえば、この1日、油っ気のあるものを食べてなかったな、と。

 無性に欲しくなったわけです。それでまたビールや。いかんせん温泉の後や。

 結局4本大瓶飲んで、2度目の会計を済ませて、それで個室に戻りました。

 あ、これは決して「脱税」を企図したものではありませんで(苦笑)。

 ま、温泉がよく効いてビールがうまくなってきて、さらに飲みまくっておったということで、要は、追加が多くなってもたってことにしておいて下さい(爆笑)。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


「料飲税は確か地方税ですね。日本食堂の米子営業所は鳥取県の米子市にありますから、地方自治体としてはありがたい税収とは思われますけど、いくら「出雲」があるとはいえ、東海道筋の列車のような需要はそう見込めんでしょうから、料飲税の税収は、さほどでもないでしょう」

「山藤さんの御指摘に同じです。あの藤木の酒屋さんのアンチャンですが、いつぞやは「やくも」で米子から岡山に戻るときに、食堂車にこもって何度かに分けて会計をして、料飲税が出ないようにしながら大酒、と言ってもビールばっかり飲み倒したと聞いております」


「藤木の酒屋さんとは、ひょっと、鉄道趣味の会の関係の方ですかな?」

 岡原氏の質問に、山藤氏が答える。

「そうです。あの御仁が幼い頃からよく知っておりますよ。終戦前の物心つくかどうかの頃から汽車に興味を持ちよりまして。おかげで、私や堀田君なんかは、いろいろ助かるところ大です。ところで岡原さん、藤木君は、どちらでご存知に?」

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