第21話 俺は兄として…
「はぁ〜モヤモヤする〜」
葵葉のところへ行かなかったその夜、俺の気持ちは上の空だった。
正直こんなことで不安になるのかと今では思ってしまう。小学生の好奇心は凄いもんだな〜
「葵葉、もしかして寂しがってたかな。
……ん〜やっぱり明日は葵葉のところに行こうかな〜なんて
…いや、やっぱり考えすぎなのかな〜」
「お兄様♪お悩みでしたら、わたくしにも頼ってくださいませんか?」
悩んでいると、愛華が話しかけてきた。
「いつも蘭とばかり話して…わたくしもお兄様のお力になりたいのです。
わたくしもお兄様救われた身ですので、葵葉も助けてあげたいのですわ」
「愛華ありがとう。気持ちは凄く嬉しいよ。
じゃあ、率直に聞いちゃうけど、葵葉のことで悩んでるんだ。
最近は前話した通りにやってるんだけど、なかなか上手くいってなくてね…少し話しかけないようにするか迷ってるんだ。
僕はどうすれば正解なのかな?
話しかけるのか、話しかけないのか?」
「それは……話しかけた方がいい思いますわ。
わたくしもお兄様に話しかけていただくまでは、自分の気持ちを表に出すことができませんでしたもの。
葵葉もきっと、悩みを抱えこんでいると思いますわ。」
「うん…そうだよね。きっと葵葉も悩みを打ち明けられなくて困ってるよね!ありがとう愛華、明日さっそく放課後話してみるよ!」
(わたくし…お兄様に放課後話しかけてもらうことなんてありませんでしたのに…)
「えぇっと…愛華?大丈夫?」
「あっ…いえいえ、なんでもありませんわ。
ご心配をお掛けして申し訳ございません」
と、愛華からアドバイスを貰った俺はスッキリした気持ちでその日は眠った。
そして次の日、朝部屋を出ると、既に家を出る準備を終えた葵葉と鉢合わせてしまった。
「あっ…おはよう葵葉…」
「…おはようございます…」
昨日意気込んだせいで凄くぎこちない感じの挨拶になってしまった。
その後は特に何も無く、放課後になり葵葉の教室へ行くと
そこに葵葉の姿はなかった。
いつもと同じ時間に来たから早めに帰ったのかと思ったけど、荷物が置いてある。
何か用事でもあるのだと思い、周りの人に聞いてみる。
「ねぇ、葵葉…立川さん知らない?」
「立川さんですか…いや…私…知らないです」
知らないと言っているが、意味ありげな反応が帰ってきた。
「本当に知らないの?教室から出ていったとかは流石に分かるよね?」
「いや…私知りませんから!もう帰るのでごめんなさい」
なにかを怖がってる様子の彼女はそそくさと教室から出ていってしまった。
「葵葉……もしかして…」
俺はこの時頭の中で恐怖を感じた。
葵葉が今何をしているのか……されているのかを容易に想像できたからだ。
「これは、まずい……よな……」
既に俺は体が動いていた。
大切な妹を守るために。
※すみません…またサボりました。
話の方向性は決まってるんですけど、文章に起こすモチベが上がらなくて…
また不定期投稿ですが、更新したら見ていただけると幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます