第16話 練習ももう卒業
その後、俺との特訓で、愛華は目覚しい成長を遂げて行った。
クラスの人に声をかけることができた。また友達ができたって、今日も、今日もって、いつも明るい表情を俺に見せてくれるようになった。
毎日やっていた練習は、もう俺の手伝いはいらないかもしれないと思った時、愛華に聞いてみた。
「なあ?愛華。もうそろそろ、僕との練習も卒業でいいんじゃないか?」
「えっ……そんな……」
愛華はすごく悲しい顔をしていた。
「いや…別に困ったことがあったら気兼ねなく相談してくれて構わないよ。
でも、もう愛華は人並みに、いや人並み以上に会話が上手になったんだ。
それは俺が1番分かってるし、だからこそ、もう、愛華には必要ないと思ったんだ」
僕は愛華の頭を撫でながら話した。
「お兄さん……お兄……様…」
愛華は泣きそうになっていた……
でも、この時は泣かなかった。
「ふふっ…また泣くと思いました?
残念でした♪私はもう変えられてしまったのですよ。
お兄様のおかげで♪」
「お兄様?呼び方を変えてみたの?」
「はい!私は…いえ、わたくしは、お兄様にこの御恩を一生忘れません。
これからも末永く!よろしくお願いしますね♪」
何に影響されたのか分からないが、一人称と俺の呼び方、そしてなんとなく口調が変わっていたのに驚いた。
だが、愛華は本当に明るくなったな〜と、俺の方が泣きそうになっていたが、バレてなかったよな…
こうして、愛華との仲は解決した。
次は葵葉だが……どうすりゃいいか分からなかった。
別に葵葉は会話ができないわけじゃない。
最初から全てを拒絶しているだけだからだ。
そしてひとつの結論に至る。
もちろん昔の俺には……
強行突破しかなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます