第9話 妹、修羅場と化す2

「お前ら〜…とりあえず一旦落ち着こう…な?

 葵葉との話も終わってないことだし、とりあえずそれから片付け…」


「だから言ったでしょう愛華?

 兄さんも、この状況に困惑しているの。

 いい加減駄々をこねるのはやめてください。」


「葵葉も、そうやってすぐに愛華に対して挑発的になっちゃダメだろ。

 そうやってすぐに攻撃的になるのはよくない。それに関しては愛華もだけどな」


「……申し訳ございませんでしたお兄様。

 この(クソ)姉とはこれからも良好な関係で…いたいと…思っておりますわ………」


「チッ…手のやける(クソ)妹ですね。

 私も、兄さんの迷惑にならないように気をつけます。」


 と、2人はめちゃくちゃ不服そうに謝られてしまった。

 昔は2人とも仲が良かったのに…


「それではわたくしは部屋に戻りますわ。

 お兄様♪また後ほど♡」


 そう言って愛華はリビングから部屋に戻って行った。沈黙する俺と葵葉


「はぁ〜…やっと邪魔者がいなくなりました」


「お前らはもっと仲良くできんのか…

 昔はもっと仲が良かっただろうに。

 なんでこんなにも壊滅的なんだよ…」


「それは紛れもなくお互い敵同士だからでしょうね。

 兄さんをほかの女に取られたくないと思うのは至極当然のことです。

 それが妹であったとしても…

 だから、私は愛華とはもう相入れることは出来ない気がします」


 ……原因の10割俺と言われている気がして悲しくなってくる。

 まあ2人を見ていたら、いつも俺の取り合いで揉めていることは伝わってくる。

 最初は2人に悪意がなくても、言い合いが加速していくにつれて2人の貶し合いになってしまう。


 俺は自分のせいで2人の仲が悪くなっていくのがとても悲しい。


「でも、2人とも蘭とは仲がいいままだよな?

 その理屈だと蘭も敵に入らないのか?」


「蘭は愛華と違って私達に敵意がないんですよ。

 ですから、拒絶するのは良心が痛みます。

 兄さんを取り合う敵であることには変わりないですが、紛れもなく私の妹ですから…」


 蘭は2人とは仲がいい姉妹でありたいと思っている。そして、2人はそれに応えてくれている。

 姉妹全員の仲が悪くないのは本当に蘭さまさまだよな…


「なるほどな。俺はお前らのそういうところが好きだよ」


「あ…ありがとう、ございます…」


「ただし、揉め事は程々にな。

 葵葉はやればできる子なんだから、愛華とも仲良くなれるはずだぞ」


「……分かってはいます。

 ですが、私自身が愛華を嫌ってしまっている今は厳しいものがあります。

 一刻も早く兄さんと結婚できれば、解決するんですけど…いかがでしょうか」


「それはない、じゃあ無理!」


 と、この調子で俺も部屋に戻った。

 

ん?なんか忘れてる気が……


 あ、結局葵葉になにをするか決めてなかった。

 まあ…また今度にしよう。

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