妹の過去side葵葉
私は……いつも独りでした。
幼少期の頃、私は妹たち以外との交友関係を築いていませんでした。
幼稚園では友達だった子たちが何人かいたような気もしますが、もう…あまり覚えていません。
だって…最後には誰もいなかったのですから…
それはただ単に、私がその手のことが苦手だっただけと片付けることは出来るかもしれません。
ですが、明確に、私の存在を決定づけることがありました。
それは、私が6歳の時に、交通事故でお母さんが死んでしまったことです。
私は、、私と妹たちは、鮮明にその時のことを覚えています。
だって……なんの前触れもなく、お母さんは居なくなってしまったのですから。
いつも大人しい性格だった私は、お母さんの存在がかけがえのないものだったのです。
自分でも情けないってわかってる。
それから私のまわりは真っ暗でした。
何もかもが色のない世界…私の心はどこか遠いところにありました。
妹たちも同じ気持ちだったのでしょう。
妹たちとも、暗い空気を拭えないでいました。
ですが、蘭は私と愛華の気を使って、はげましてくれていましたっけ…
今にして思えばとても勇気のある行動だと思います。
私は、ずっと塞ぎ込んで、立ち直ろうとしない自分のことが大嫌いでした。
私は一生このまま独りで過ごすのだと思っていました。
小学校でも私はずっと独りで…
最初はあまりいい気はしませんでした。
ですが、時が経つにつれて独りの自分を受け入れていました。
(私はずっと、このままでいい)
そう………思っていました……
『今日から君たちのお兄ちゃんになる…
彩斗です。
あの……よろしく!』
父親が再婚した、その時私は小学校2年生。
相手の母方にも子供がいました。
私たちよりもひとつ年上の男の子。
何もかもがどうでもよかった私には、兄ができたことに何も感じていませんでした……
いや、今にして思えば、私は、心のどこかで、、期待をしていたのかも、しれませんね。
そしてあの日…
今にして思えば運命だったのかもしれません。
あの頃の私なら、そもそもあの場所にいなかったかもしれないのに…
『僕は……妹を傷つけるお前らを、絶対許さない!!』
私はあの日のことを、一生忘れることはないでしょう。
いつも孤独の道を進んでいた…
何もかもが、色のない生活を送っていた…
そのはずなのに…
私は泣いていた。
心が、暖かくなっていくのを感じて…
あの日私は…兄さんによって…
救われたんだ
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