第18話 作戦決行
次の日、俺は早速葵葉の元に駆け寄った俺と蘭は、まあ…案の定…
「なあ、葵葉!この後僕と蘭とお話しないか?」
「葵葉!お願いだよ〜!!」
「……迷惑です。
2人ともいきなりなんですか、わざわざ教室に来て、こんなに目立つことして、」
「昨日2人と話し合ってさ、葵葉と仲良くなりたいから、もっと積極的に話しかけようってことになってさ!」
「そうだよ!お兄ちゃんはいい人だから、葵葉もきっと仲良くなれるはずだよ!」
「……私は望んでないです。あなたが兄になることも、仲良くなることも。」
「いいや、僕は引かないよ。葵葉に何を言われても、僕と蘭、愛華もみんなで仲良くなりたいからね!!」
「だから…迷惑だって言ってるじゃないですか…
もういいですか?私……もう帰りますよ」
そう言って葵葉は教室から駆け足で出ていってしまった。
「結局話してくれなかったね…」
「そうだね、でも、僕は諦めないよ!明日も明後日も、ずっと葵葉に話しかけるんだ!そうすればきっと」
「うん…うん!その意気だよ!流石私のお兄ちゃん!一緒に頑張ろ!!」
こうして、俺と蘭は葵葉にほぼ毎日話しかけにいった。しかし、葵葉はやはり取り合ってくれず、話しかけては逃げられを繰り返し、始めてから数週間がたったある日。
「今日はあなただけなんですね、しかも、教室ではなく下駄箱まで追いかけてくるんですね」
「蘭は係の仕事があるらしくてね。それでも僕だけでも、絶対話しかけるよ。
もしかして蘭がいなくて寂しくなっちゃった?」
「…はぁ…本当にあなたという人は…
まあいいです…とにかく、毎日のように来るの、やめてくれませんか。
私はあなたと仲良くなるとか、そんなことはありませんから、妹たちともね。」
「いいや、やめないよ。
僕も言ったよね。絶対に諦めないって、だって、僕は君のおに「兄だから…なんなんですか?」
「え……」
「兄だから妹と仲良くするとか、兄だから妹が大切だとか……
そんなの、当たり前ではないと思いますよ。
兄と妹が仲良くないなんてことは普通にありますし、自分のことよりも妹のことを優先する人なんて…
あなた、本当に自分が世間一般の、普通の兄になれていると思っているんですかね。
そう思っているのなら、それは兄の範疇を越えていると私は思います。」
「…………」
「もう……知りませんから…」
そう言っていつもの如く葵葉は帰って行った。葵葉の言葉は凍りついていた。俺という存在を、兄という存在を、真っ向から否定し、拒絶する意志を俺に示してきた。
ただ……俺はその時思った。なんでか分からないけど、その時の葵葉は言葉とは裏腹に…
助けを…求めている
って、直感的に思った。
それはやはり、亡くなった母の事なのか?と俺は最初そう思っていた。
ただ、違ったんだ。正確に言えばもうひとつ。
決定的なものが葵葉を苦しめていることに、俺は気づいてやれなかった。
あの日までは…
※1ヶ月以上サボってました…ごめんなさい。投稿のモチベがあんまないので、この先も不定期になりそうです。すみません…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます