第23話 4人兄妹、みんなで
その後も俺は葵葉のことが心配で、毎日教室に行っていたが、それらの類は行われなくなったらしい。
まああんなことをしたから当然かもしれないが、俺が行くと葵葉の教室の空気が毎回すごく重くなってしまったので、安全が確認できてからはあまり行く機会はなくなっていった。
ただ大きな収穫はあった。
葵葉が俺のことを兄さんと言ってくれたこと。
その時から俺たちは本当の家族になれたと思う。3人の仲も良くなり、その時が1番俺たち兄妹の仲が良かったんじゃないかと思う。
余談ではあるが、前までは葵葉に会いに行くとかなり嫌そうな態度をされていたが、あの事件の後は、
「今日も来たんですか?兄さんがここに来ると兄さんが周りから恐怖されるのが嫌なのでやめてください。私だけに優しいという姿を見せつけるのも悪くはありませんが、兄さんが悪く思われるのは不愉快です。それに………etc」
と、長話に付き合わされるようになった。
普通に俺のことを心配してくれているのはありがたいのだが毎日この調子で来るので、俺はかなり困惑していた。ここだけの話、葵葉の教室に行かなくなった理由の一つでもある。
まあ元々教室に行く理由が葵葉と話す機会を増やすためだったから、家でも話せるようになったのでもう行かなくてもいいかと、自分の中でも見切りを付けたのであった。
「兄さん、今日はなぜ来てくれなかったんですか?私はずっと教室で兄さんを待っていたのに……」
「いや〜だって葵葉はもう家でもたくさん話してるし、もうあの教室に行かなくてもいいかな〜って…」
「そうですわ。葵葉は少し欲張りだと思います。今度はわたくしの番ですわよね♪お兄様♪」
「あれ?お兄ちゃんが迎えに来てくれるの?私の所にも来てよ!!」
「ええ〜…」
その後はたまにではあるものの、妹達を迎えに行く行事ができたのであった。
第2章 ~完~
※次回以降幕間の話が何個か入るので、
現実パートはもう少し先になりそうです。
これからも不定期投稿ではありますが、応援よろしくお願い致します!
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