第3話 困りもののツンデレ妹

 妹達は俺と同じ学校に通っていて、俺は二年、妹達は一年だ。

 朝学校へ行く時はもちろん妹達と行っているのだが、流石に4人で行くのはやめてくれと俺から言って、日替わりで1人ずつ2人で行くということに落ち着いた。

 これには3人とも納得してくれている。多分だけど、2人きりの時間が作れるというのが利点だと思ってくれているのだろう。


 そして今日は蘭の日だ。


「………」


「蘭、そろそろ機嫌直してくれよ…俺から愛華に厳しく言っておくから。」


「お兄ちゃんが悪くないのは分かってるし、愛華がお兄ちゃんに抱きつくのが悪いってわけでもないんだけど…んーーー…やっぱり見てるだけは嫌なのよ!」


 蘭は嫉妬からやり場のない怒りを溜め込んでしまっているな。俺が悪いわけではないが、原因を作ってる以上あまりいい気はしないな。


「え、ちょっ!お、お兄ちゃん!?」


 俺は蘭の頭を軽くなでながら


「蘭はいつも色々我慢できて偉いぞ。でもたまには相談して欲しい。俺はお前の兄なんだからなんだって聞いて受けとめてやる覚悟はできてるからな。」


 蘭の気に触らないようにフォローしてやった。素直になってくれたら嬉しいというのは本当だしな。


「すき♡……ってなんで急にそんなこと、

っんぁーー!もうムカつく、カッコつけたって意味ないんだから!早く行くよお兄ちゃん!!」


「おーいそんな走んなって」


「知らない!ついて来れないなら置いていっちゃうんだからね!!」


 と、まあなかなか素直にはなってくれないな〜

 なんて思いながら学校へ向かう俺達なのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る