俺は妹達の修羅場から逃れられない

ヒロ

第1章 俺と妹の波乱すぎる1日

第1話 俺の生活は普通ではない1

 高校生の普通とはなんだろうか?

 放課後や休日は友達とだべって過ごしたりするのだろうか?

 はたまた恋人なんて作って青春を謳歌する勝ち組もいるのだろうな。

 まあもしかしたら、至って普通な生活を送っていたとしても、それが本人が幸せなのだとしたら、特別なものになるものなのかもしれないな。


 なんて長々喋っている俺の生活はどうなんだと聞かれたらまず普通じゃありえないことばかりであることは明確だ。これは俺の考え方がおかしいのではなく世間一般を加味して異常だと断言できるからだ。

 そう例えば今も…


「すぅーーー……はーーー……」


「すぅーーーーー………んん♡」


 と、寝ぼけているのではなくガチで聞こえる、というか吸われている。


「おい、愛華あいか、お前朝っぱらから部屋に入ってくるなって何度言ったらわかるんだよ…」


「おはようございますお兄様。わたくしは少しでも多くの時間お兄様と触れ合っていたいのです。本日もお兄様に包まれて最高に昂ってしまいました♡」


 と、このように布団に潜り込んでくるとんでもない妹がいるのである。この子は2女の愛華。姉妹の中で1番スキンシップが激しい。というかヤンデレの域に達しているのではないかと不安になるレベルのブラコンだ。


 そして、2女という時点で察してほしいのだが、他にも妹達がいる。


「お兄ちゃん。ご飯できたから早くき…て…

 って愛華!?また朝からお兄ちゃんに抱きついて!?」


「んん…おはようらん。わたくしがお兄様に抱きつくのは義務なんです。やるとやらないとでは1日の生活が大きく、いや全くの別物になるのですよ。」


 いや、流石にそれはないと思うんだけどな…

 と、ちょうど今入ってきたのが3女の蘭だ。

 気が強い、所謂ツンデレと言うやつで、まあ思春期真っ只中って感じの妹だ。蘭も愛華同様…


「そうなの!…それはちょっと羨ま…ってダメでしょ!お兄ちゃんもやめるように言ってよ!!」


「やめろと言ってるが、全然やめないからもうほぼ諦めてる」


 まあ俺も妹達が嫌がるようなことはしたくないしな。


「流石はお兄様です♡もうわたくしとの婚姻を認めてくださったということですよね!行くところまで行ってもいいということですよね!!」


「んな事は一言も言ってないだろ!!!」


「ム〜私もお兄ちゃんに抱きつきたい…じゃなかった。2人とも早く朝ごはん食べてよね!」


「さーお兄様!続きを♡」


「いや、いい加減起きるぞ」


「ええ!そんな…」


 学校あるのにいつまでも抱きつかれてると困るわ。


 と言った感じで俺の一日は始まる。

 どうだ?普通じゃないだろ。

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