第5話 俺の妹達は高嶺の花であるという事実

「じゃあね…お兄ちゃん…」


 と、蘭は若干恥ずかしさ混じりにお別れを言ってくれた。


「おう、また放課後にな!」


 そう返したら俺は教室に向かうのであった。


「おっ、よう彩斗。おはよう!」


「おはよう裕二。今日も元気いいな。」


 こいつは加藤裕二。

 このクラスで1番仲が良く、大体こいつと絡んでいる。

 今は席が前後なため、席に着くと大体すぐに話しかけてくる。


「彩斗…俺はお前が羨ましくてたまらないんだぞ!!立川三姉妹の兄で、毎日一緒に学校に行ってひとつ屋根の下で暮らしているなんて…ぐぬぬぬ…お前はもっと呪われるべきなんだ~」


「おいおい、相変わらずそれかよ。確かに俺の妹達は可愛いし。お前が嫉妬するのが分からんでもない。」


 そう、俺は裕二のように嫉妬されることが多く、あまり友達がいないというのが事実だったりする……あまり考えないでおこう。悲しくなってきた。

 裕二はなんだかんだいいやつで上手くやっていけてるから正直不自由はない。


「クソ〜…万年女子と関われない俺が情けねぇよ…ところで、今日は誰と来たんだ?」


「今日は蘭と来たぞ」


「おっ、3女のツンデレっ子か。蘭ちゃんも捨て難いが、やっぱり俺は葵葉ちゃん一択だな~」


 そう、うちの妹は愛華だけではなく、葵葉と蘭もかなり色んな生徒から注目されているのだ。

 まあ俺が言うのもなんだが可愛いから当然?だな。


「葵葉ちゃんは、絶対零度を放つクールさが俺にどストライククリティカルヒットしちまったんだ。正直見てるだけで…」


「おい、流石にライン超えるんじゃねぇぞ」


「ごめんなさいお兄さん…」


 と、歯止めが聞かなくなるので静止しておく。


 ここで葵葉は学校ではどうなのかと言うと、かなり周りに構わず孤独を貫いてる?らしい。

 兄としては友達を作ってワイワイして欲しいのだが、そこまで強要はしたくない。それが苦手なことなら尚更だ。

 葵葉は昔からかなり引っ込み思案だったから、そういうのは向いていないと思う。

 ただ、頭脳明晰で可愛い。なんでも出来る葵葉はクール系女子を好む男子に大人気らしい。

 

裕二曰く、葵葉は男子、愛華は女子からの人気の比率が高く、蘭は男女トントンといった形らしい。


「毎日一緒に登下校って、普通の兄妹はあんまりしないよな。まさか!お前から頼み込んでお願いしてるのか!無様に土下座とかして!」


「そんな尻に敷かれる様なことされとらんわ」


 ん?いやされてる?されてない?よな?


「まあ仲がいいのは確かだな。そこはありがたい限りだよ」


 裕二の反応を見たらわかる通り、妹達が重度のブラコンであることは公には知られていない。

 正直いつバレてもおかしくないと思ってはいる。そのはずなんだけど、蘭は少し勘づかれる気がするが、葵葉と愛華は噂すら立たないほどなのだ。

 俺としては非常に助かるが、なぜ外では保守的なのかが謎なんだよな〜






※盛り上がりに欠けるので後書きです。

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