第6話 蘭の悩み

なんだかんだ授業を終えて放課後。

俺は蘭と家に向かっていた。


「お兄ちゃん…今日ずっと、お兄ちゃんのこと考えてたんだ…」


「え…」


「うわぁー!!別にやましい意味じゃないわよ!バカ!!」


「落ち着けよ。そんなこと思ってないから安心しろ。大丈夫だから、続きを聞かせてくれ。」


「少しは期待してくれても……って今はそうじゃなくて!

えっとね、やっぱり私はこういう性格だから、いつも…お兄ちゃんの負担になってるんじゃないかって……時々、すごく辛くなることがあるの…」


いつもそんな素振りを見せない蘭が、素直な気持ちを俺に伝えてくれた。今日のことが余程答えたんだろうな。


「私ってほんとダメだよね…葵葉と愛華と違って凄くないし、いつもいつも…わがままっ…ばっかりで……」


蘭の顔は真っ赤で半泣き状態だった。


「そんなの気にしたことなんて1度もないぞ。

というか、俺が何年お前の兄ちゃんやってると思ってんだよ。

妹は兄に対してわがままになっていいんだ。

俺の負担になるとか、そんなこと微塵もないからな。むしろどんどん頼ってくれよ。

俺は蘭がこんなに素直になってくれて、すごく嬉しいよ。」


「……っ、…… で、もっ!…あ、っ……、ぅあ……!」


蘭は俺に抱きついて、思いっきり泣いていた。

この感じはとても懐かしく感じる。

それこそ、



流石に道端でずっと立ち止まっている訳には行かないので、蘭を宥めながら俺は家に向かうのだった。


「少し落ち着いたか?」


「……うん、ありがと…お兄ちゃん...」


そうして俺たちはなんだかんだ家の前に着いていた。


「お…お兄ちゃん!!今日は…本当にありがと。今まで溜め込んでたもの…全部出せた気がする」


「そうか、これからも俺のこと、頼ってくれていいんだぜ」


「うんっ!!お兄ちゃんだい……す…………

はぅーー///だめーーーー!!!もうムリーー!!!!」


流石に限界が来たのか、ツンデレモードに戻ってしまった。

ただ、今日の経験が蘭を変るものになっていたらいいなと思う。

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