第7話 クーデレ長女は甘えたい

「兄さん、おかえりなさい。

 蘭が全速力で部屋に駆け込んで行ったんですけど、朝に続いて、また蘭になにかしたんですか?」


リビングに入ると葵葉が夕飯の準備をしていた。


「んーそういうわけでもないんだけどな。

 蘭は成長したんだよ。まだ抜けてたい部分もあるけどね」


「?」


 と、葵葉がぽかんとした顔でこっちを見てきた。まあざっくりしすぎてるから当然っちゃ当然だな。


「さて、兄さん。朝の話ですが……ってなに平然と部屋に戻ろうとしているのですか?」


「いや〜…俺も今日は疲れてるからすぐに部屋に戻りたいな〜…と…」


「兄さんも面白い冗談を言えるのですね…

 私も毎日つらい思いに耐えながら生活しているというのに。こんなにも兄さんのためを思って生きているというのに…私には何も見返りがないなんて」


 まあ確かに。青葉は2人に比べて仕事の負担がめっちゃ多い。ただ、仕事の分担は効率が悪いと言われてしまった。


「家事が大変だったら俺もできる限りのことはするからな。料理は苦手だし、葵葉よりも上手く作れるようにはなれない気がするからあれだけど、掃除と洗濯ぐらいなら力になれるぞ」


「やめてくださいそれだけは絶対に」


 え、何故だ…俺やっぱり信用されてないのか…


「(それだけは私特権なんですから…)」


「ごめん、なんか言ってた?」


「いえ!なんでもありません…

 とにかく、兄さんにして欲しいことは1つです」


「ん、なんだ?」


「私をめいいっぱい癒してください」


「おう…まあ妹のわがままを聞くのが兄というものだ。なんでも言えよ」


「ありがとうございます。では今夜は私と一緒にお風呂入って夜の営みをして朝を迎えましょう」


「おい!なに一線越えようとしてんだ!」


「すみません、なんでもと言われてしまったのでつい本音が出てしまいました。」


「おいおい…冗談でもそれはちょっとな…」


「ですから、冗談ではありませんよ。

 兄さんも分かってますよね。私たちは兄妹ですけど、そういう行為はもちろん、だってできるのですから」


「ああ…分かってるよ」


 そう。冗談抜きで俺たちは義理の兄妹。

 結婚もできる。

 俺は兄である以上、妹たちには普通の生活を送って欲しいと思っている。

 だが、葵葉に愛華、そして蘭も、本気で俺のことが好きなので、俺はずっと悩んでいた。

 このままで妹たちは幸せになれるのだろうか…と…


「お兄様♪いつまで葵葉とお喋りになっているのですか?」


 と、リビングの扉から愛華が入ってきた。

 どことなくピリピリしたオーラを纏って…

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