第3章 妹戦争、学校を巻き込む

第25話 二人は今日も睨み合う

一日の始まりが憂鬱なのは割といつもの事だが、はぁ〜今日も今日とて妹達に悩んでいた。とは言え問題なのはあの二人なわけだけど。


今日は愛華と一緒に行く日なのだが、愛華は朝から見てわかるくらいとても機嫌がよさそうだった。


「本日はわたくしの日ですね♪ささっお兄様♪早く行きましょう♪」


まだ時間には余裕があるが、愛華がもう出るからか、俺に声をかけてきた。

全員朝飯は食べ終わっており、葵葉が洗い物をしてくれている。


「ごめんな葵葉。洗い物と家の戸締りお願いするわ」


「問題ないですよ。兄さん、いってらっ──

「わたくしにはなにか言うことはありませんの?」


「………」


やばい、機嫌のいい愛華が葵葉を挑発してしまった。

いつもは割と平和的、というかあまり声をかけることがないのに…


まあ…案の定葵葉も黙っていることはなく


「はぁ…すみません。兄さんとの会話のことで頭がいっぱいでした。さっさと行ったらいいじゃないですか?私の言葉なんて微塵も求めていないくせに」


「お兄様と登校できる日は一日が最高の日でありたいと思っていますの♪わたくしと同様に、葵葉にも気持ちのいい朝を迎えて欲しいなって思っておりますわ♪」


「なら、私が兄さんと登校する日にもあなたに同じことしてあげるわよ。

嬉しいでしょ?私が幸せな姿を見れて。」


「は?それを気遣いだと思っているのでしたら地獄に落ちるべきですわ。わたくしとお兄様との愛の深さは、あなたとは格が違うのですから。あなたがわたくしになにをしても無様なだけですわ」


「チッ…生意気な妹ね…とっとと行きなさい。(私の日は絶対にやり返してやるわよクソ野郎)」


「言われなくても…ささっ!お兄様♪お待たせ致しました♪では参りましょう♪」


「ああ…」


とりあえずこの場を脱したかったため、俺は愛華と共に家を出た。

葵葉は俺の気持ちを組んでくれたのか、愛華に見えないように俺に万遍の笑みでアイコンタクトをしてその場を流してくれた。

正直俺は葵葉に申し訳ない気持ちになった。

この騒動に関しては明らかに喧嘩を売った愛華に非があるからな。

本当に困ったもんだな…

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俺は妹達の修羅場から逃れられない ヒロ @heichouhirou

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