第2章 兄妹の過去

第12話 俺達の始まりは…

 俺と妹たちが義兄妹になった経緯は、俺の両親の再婚にある。

 長い話になるが付き合ってほしい。

 

 俺が小学校3年生のとき、母親が再婚した。

 俺の父親は、俺が物心着く前に息を引き取ってしまったらしく、俺は会った記憶がない。

 だから、女手1つで俺を育ててくれた母にはとても感謝しているし、再婚で父親ができるというのがとても嬉しかった。


 そして、相手側には俺よりも1つ下の3人の娘さんがいると聞いて、とてもワクワクしていた。


 ただ、そんな高揚感に包まれていた俺は、

 3人に初めてあったその日に、自分の思い通りに行かなかったことを覚えている。



「今日から君たちのお兄ちゃんになる…

 彩斗です。

 あの……よろしく!」



 俺は恥ずかしさ交じりに3人にあいさつをした。


「「「……」」」


 3人は沈黙を浮かべていたが、


「蘭です…よろしくお願いします…」


 と、蘭が最初に返事を返してくれた。


「蘭ちゃん!よろしくね、2人のことも教えて欲しいな!」


 少し間が空いてから


「葵葉です。」

「愛華…です。」


「うん!よろしくね!葵葉ちゃん!愛華ちゃん!」


 自己紹介の後は、俺たち4人はリビングに集まって一旦放置されていた。

 両親が買い物に行きたかったのと、まあ子供同士で仲を深めとけって感じだった気がする。


「僕!ずっと兄妹になりたいなって憧れてたんだ!僕はみんなと仲良くなりたい!!」


 俺は希望に満ち溢れていた。

 しかし、妹たちの反応はあまり芳しくなかった。


「みんな…あんまり元気ないね。

 なにか困り事があるの?お兄ちゃんに任せてよ!絶対力になれると思うから!!」


「「「………」」」


 3人はまたもや喋れないでいた。


「ねぇ…みんな大丈「あの、私はいいので、皆さんでお話しててください」


 と、俺が話した時に、葵葉がそう行ってきた。


「ごめん…僕…何か変なことしたかな?

 嫌な気持ちになったのならごめん、気軽に言って欲しいな」


 俺は不快にさせてしまったのかと焦っていた。


「いえ、別にそういうのじゃないですから」


「そう…なんだ…」


 なんとも言えない。

 すごく気まずい空気になってしまった。


「では」


 と言って、葵葉はリビングから出て行ってしまった。


「ええっ…と…じゃあ葵葉ちゃんはいなくなっちゃったけど、なに話そうか!

 何がいいかな?好きな食べ物とかは!

 じゃあ愛華ちゃんから」


「ええ!!あの…私は…ええっと…その…」


「そんなにテンパらないでよ。

 大丈夫だからゆっくり、落ち着いて喋ろ」


「あの…その…ごめんなさい!」


 今の愛華からは考えられないが、昔はかなりの恥ずかしがり屋で、あまり感情を表に出すタイプではなかった。それは他の妹たちも同様だった。

 

 その後もあまり会話は続かず、両親が買い物から帰ってきた。

 どっしりと重い空気を感じ取ったのか心配されたが、俺はめげずに頑張ろうと思って、希望を捨てなかった。


 この子達の兄になるために







※あとがきです。

新たに章を設定しました。

ノートを更新しました。

過去編も1日編と同様に長く続くと思いますので、よろしくお願い致します。

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