第10話 悩む兄

 部屋に戻ったら、俺はとりあえず寝転がりながらスマホをいじる。


 LEENでのメッセージでは、裕二から俺のやってないソシャゲの新キャラの画像が送られてきていたので、適当に返信した。


 一通り会話が終わったら、今日の出来事を思い返していた。

 俺は常日頃からこんなに慌ただしい日々を送っている訳では無い。今日がたまたま色んな要因が相まって妹達とのいざこざが多かっただけで、普段は平和に、普通に生活している。


 んー本当にどうすればいいのやら…

 仲良くなって欲しいのに、その原因となる俺がそれを考えるのはご法度なんじゃないかとも思ってしまうんだよな…

 これに関しては蘭はどう思っているんだろうか?今度聞いてみた方が良さそうだな。


 ……凄く眠くなってきた。

 飯まではそれなりに時間があるだろうし、ここは一旦仮眠しておこうかな。


 そして俺は目を閉じて眠ろうとした。



すると、凄く僅かな音ではあったが、ドアが開くような音がした。


「(…ふふっ……は〜♡お兄様〜)」


 …小声で聞こえるな、確実に聞こえるな。

 もう少しだけ寝ているふりをしてみるか。


「(お兄様…寝顔も本当にお美しいですわ♡

 布団の中に潜り込んでもバレないでしょうか…♡でも、お兄様なら…今日だけは許してくださりますよね♡」


「愛華〜もうその手は喰らわないからな〜」


「お兄様!起きてしまわれたのでしょうか!?

 申し訳ございません…」


「いや、最初から起きてたから問題ないよ

 それより…どうしてまた俺の部屋に無断で入ってきてるんだよ…」


「後ほど伺うと言っていましたよ。

 なので、今回は無断ではありませんわ♪」


 うわ、確かに言われた気がする。

またもや俺は妹から逃れられない。

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