第18話 はいゾンビ
取り合えず進化したゾンビのステータスを調べてみた。
名前:
種族:ジェネラルゾンビ
位階:11
称号:将軍
固有スキル:
種族スキル:常闇の眷属
能力値
体力:50/50
知力:22/22
ちなみに進化前はこんな感じ。
名前:
種族:ゾンビ
位階:3
称号:
固有スキル:
種族スキル:感染
能力値
体力:10/10
知力:2/2
ご覧の通りめちゃくちゃ強くなった。勿論ダークエルフ達とは比べられないが位階の低いモンスターでは太刀打ち出来ないだろう。
「そうだな、お前はゾーイと名付けよう。ところで知性が無い時の事も覚えているのか?」
「はい、朧気ながら記憶があります。ただ、単純に命令を実行する為だけのロボットのような、記憶というよりも記録と言った方が正しいかもしれません」
なるほど、恐らくプレイヤーが与えるコマンドに従って動くロボット、AIのようなものなのかな?実在するのかゲームのキャラクターなのか、深く考えてもいい事はないだろうから深く考えずに流れに身を任せてしまおう。
「お前は何が出来るんだ?」
「部隊の指揮が出来ます。現在の状態ですと指揮下に置けるのは1個連隊規模となっております」
その後も会話をしながら分かった事がいくつかある。まずは種族スキルの『感染』について。これはパッシブスキルで近くに死体がある時、ある一定条件を満たせばゾンビに変化するという事、更に騎乗系モンスターが近くにいた場合感染プラス『進化』が起こるがこれはゾンビの意志ではない事が分かった。
また、眷属となった事でこの感染と進化を任意で行えるようになったらしい。そして今後はある程度位階が上がったゾンビをハイゾンビに進化させて小隊の隊長に任命したりとよりハイレベルな防衛部隊の運営が可能になるらしい。この辺りは眷属に進化した時に得た知識で実際にやった訳ではないのだがモンスターは全て神AIさんから知識を埋め込まれているらしいのでほぼ間違いないだろうという事だった。
可能であれば各種族を1体づつ眷属化しておくとモンスター同士の意思疎通が図れるようになってより高度な部隊運営や文明の進化が可能になるそうだ。そうする事でモンスターの進化がより発生しやすくなり、部隊の指揮が出来る個体が増えたり、特殊な種族に進化する可能性も生まれるらしい。
「ちょっと強すぎないか?」
話しを聞いて強すぎるだろうと思ったが、この辺りはゾーイの説明ではちょっと分かりにくかったので神AIさんに質問してみた。
通常であれば殆どのプレイヤーが時間を掛けて眷属化のスキルを覚えるが、極少数のプレイヤー以外は覚えるのが大変なので効果が大きく設定されているらしい。更に種族の解放にもGPが必要になるので複数の種族の眷属を持つ事が大変な事、そもそもこの仕組みはエンドコンテンツ的な立ち位置でかなり終盤に想定されていた自体である事が分かった。
つまりネトゲでいう所の「10年後に配信する予定だったエンドコンテンツを配信直後に間違えて実装しちゃいました。だけど出来る人いないだろうから放置でいいよねテヘペロ」という状況らしい。
「まさにチートか・・・」
まぁ自重する気は全くないのでありがたく利用させて頂こう。
「じゃあ防衛部隊についてはゾーイに任せる、頼んだよ」
「はっ、お任せを!」
全身からやる気がみなぎっているゾーイに任せて防衛部隊の確認はこんなもんでいいだろう。後は各種族の眷属化が必須になったので早速行動開始。
しかし、リアル要素とゲーム要素が絡みあうこの状況がゲームなのか現実なのか未だに理解が追い付かない。部屋の外に出れば周りは木ばっかり、更にモンスターもいて、住民は神のように崇めてくる。住民たちは水しか飲む物がなく、食事も原始的な寂しい物ばかり。なのに俺は部屋に戻ればコーラも飲めるし、マックだって買う事が出来る。そして部屋の外では時間が加速してるんだろ?意味分からないよな。
「よし、気合入れろ!」
考えてばかりじゃ話も進まないし自分の頬を叩いて気合をいれ、行動に移る。考えすぎるのは俺の悪い癖なのかもしれない。
その後順調に各種族の眷属化が進んで行く。まず眷属化を行うと上位種か変異種に変わる。この辺りは本人?達に聞いても詳しく分からなかった。恐らくシステム上予め設定された種族以外は存在しないのだろう。神AIに聞いても神が用意したモノ以外がこの世界に存在する事はないという事、逆に言えば目の前に現れた物は全て神が用意したモノで間違いはないと言われた。
「どんな設定がしてあるか怖すぎるんだが・・・」
今は神AIの事を信じるしかないので微かな疑問は胸に仕舞おう。
あと大事なのは知性というか自我についてだろうか。人間種は必ず生まれながらに知力が10/10となっていて、モンスターでも知力が10を超えると自我が芽生える。当然それまでの記憶は残っているので知力が10を超えるまでに得た経験が進化にも影響するらしい。
しかし、モンスター種は知力が10を超えても会話が出来る種族と出来ない種族がいる。全ての種族と会話するには眷属化かスキルの『念話』が必要だそうだ。『鑑定』等でステータスを確認しない限り相手の知力を知る術はないので弱そうなモンスターでも自我の有る無しで強さが変わるので油断しないようにしなければならない。
まだまだ知らない設定や重要な情報が出てくるので油断出来ないが段々とこの生活も楽しめるようになってきたかもしれないな。
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