第6話 続く準備期間

 システムの確認で時間を潰し、ゲーム内での夕暮れを待つ。現状で必要なのは位階上げと石器の入手、武器の作成と領地戦力のアップ、それから領地の発展、新しいゲームのスタートっていうのはやりたい事が多すぎていつになってもワクワクするもんだな。


「よし、そろそろ動きますかね!」


 まずは海岸を目指す。昼間よりも動物の姿は少し減ったのだろうか、モンスターの方が多く感じる。野生の生態をしっかりと再現しているのかもしれない、もしくはゲームバランスとして昼と夜で出現率が変わるとかもありそうだ。基本的にこの辺りで見かけるのは位階1~3しかいないようだな。


 海岸に向かう途中にも採取出来る『石』は拾っておこう、採取したら消えるから整地にもなるし将来的に森も切り開く事になるから『木材』も採取して道を作っておくか。『薬草』も拾っておこう。


「なるほどね、ストレージには同じアイテムなら何個でも1枠にまとまるっぽいな」


 ストレージのスペースは50枠程で入ってるのは『石』『木材』『薬草』『雑草』の4枠。木材なんかは1回で割と多く取れるのでどうなるか気になったが99個を超えても1枠で収まっているので恐らく上限なしタイプだろう。


「99個ストックのゲームだと持ち物の厳選が必要になるから助かるな」


 よくあるゲームだとストレージの圧迫が問題になりがちだがこれならなんとかやれそうだ。あとは枠が自動的に増えるかどうかだな、50枠固定なのか無制限なのかでやり込みやすさがかなり変わってくるからな。希望としては無制限であってほしい。


「採取や作成にもアクションが入るのはやってる感あっていいな」


 それぞれの行動にはアクションがある。例えば草系の採取であればしゃがんで引っこ抜くし木材の採取は殴って折っている、恐らく専用の道具を持っていればそれを使ったアクションになるんじゃないかと予想している。だってずっと木を殴ってへし折るなんて脳筋すぎるだろ。


「取り合えず殴って折るってどうなんだって気もするが・・・まぁいいか」


 拠点から海岸までの道を切り開き、ある程度採取が出来たので折り返しながらモンスター狩りといきましょうか。海辺にはカニ系モンスターがちらほら居るが位階3と少し強そうなので回避。チュートリアルで倒した位階1のうさぎが森の中に居たのでそいつから狩りたい。


 フィールド上に居る動物や生物はクリックすると名前と位階だけが表示される仕組みになっており、少し手間は掛かるがいきなり格上に挑んで自滅というのは減らせる親切なシステムが採用されている。ひどいゲームは敵の情報何もなしで初期のフィールドに超格上が居たりする事もあったからなぁ、あれにはまいった。

 詳しい情報は見れないがもしかしたら鑑定とかのスキルがあったり、知力が上がれば見えるようになるのかもしれない。流石にまだ攻略掲示板とかもないだろうし、やれる事を手探りでやってみよう。


「居た、行くぞ・・・」


 まごう事なき位階1のうさぎを見つけた。うさぎをターゲットにし近づいてから爪を振るう。発見から攻撃まで約3秒。


『獲得:経験値1』

『獲得:うさぎの肉』

『獲得:うさぎの毛皮』


「おー初経験値!いいね、サクサクやれそう!」


 うさぎの経験値は1、位階を上げるには10体でいい。この感じなら序盤はサクサク行けちゃうかも。と思ったのもつかの間、夜だからかうさぎが全然居ない。


「ん-位階2のスライムやってみるか?」


 この島に生息している戦闘が出来る相手は位階1のうさぎ、位階2のスライム、位階3のカニと猪だけなので昼間にうさぎを狩れない以上は夜間にスライムを狩るしかなさそうだ。位階が上がればカニと猪を相手にして、限界まで上げたら海を渡って陸地に行く必要があるな。他の場所の生息状況が分からないが敵が少ないのは助かる、初心者には打って付けの場所を選べて良かったかも。


 スライムとの戦闘では困った事が起きた。なんとやつらを攻撃すると必ず1ダメージ受ける事が発覚したのだ。最弱のモンスターらしく1撃で倒せるのだが体内が強酸になっているようで素手で攻撃するとダメージを受けてしまう。

 更に、ダメージを受けて体力が減った状態だと『吸血』のスキルを発動出来る事が分かったのだが、スライム相手に『吸血』を発動すると3ダメージも喰らってしまって慌てて『薬草』を使う羽目になってしまった。


 『薬草』は1つで体力を1回復してくれるアイテムで『作成』する事によって『ポーション』になる事はチュートリアルで分かっていたので狩りが終わったらポーションを作っておいた方がいいかもしれない。

 ちなみにうさぎ相手に吸血を使うと相手にダメージを与えつつ、体力が1回復出来る事も分かった。恐らくモンスターによって回復やダメージの判定が分かれているんだと思う。


「よーし、日が昇るまでに出来るだけ狩るぞー!」

 


 


 

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