第5話 準備期間
『・・・フィールドを作成します。ようこそ「GODGAMEofTHEEARTH」へ』
『これより準備期間としてゲーム内時間で7日間が与えられます。現実での経過時間は約7時間です』
『なおログアウトしていてもゲーム内時間は進んでいます、準備期間終了にお気を付けください』
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「おーし、やっと始まった。まずは周囲の探索からだ」
チュートリアルも終わり、やっとゲームがスタートした。画面には豊かな自然が広がっている。ゲームの視点は一人称と俯瞰で見る三人称で切り替えられるみたいだ。個人的な好みで三人称視点でプレイしていく。
「なるほどね、『歩く』と『走る』があってと・・・オープンワールド仕様だから移動はスムーズだな。これなら今までのゲームの感覚でプレイ出来そうだぞ」
この辺りは国産MMOPRGの視点に近いので違和感は感じないな。一番最初にやった11番目の作品を思い出すな。
動物やモンスターの姿も確認出来るがこの場所にはノンアクティブの生物しかいないようで戦闘になる事なく島全体を探索する事が出来た。全周で大体1km位だろうか。小さな砂浜があり、島の高さは5~6mかな?森の中には湧水が出ていた。飲料水として利用可能となっていたので一安心だ。
島から一番近い陸地までは400m位だろうか?念の為に海に入って確認した所『泳ぐ』コマンドが出たので泳いで渡るのも不可能ではないだろう。
「えーっと、与えられた領地は最大の10km×10kmか、これは助かるな」
『地図』を選ぶと画面上に現在の地図が表示される。島の中心から周囲10kmまでが赤い枠で囲まれており、俯瞰で見る事が出来た。
「初期GPは1,000か。まずは『拠点』の作成からだな。って、おい!作成出来る住居が『洞窟』ってどういう事だ!」
急いでメニューを確認するとチュートリアルで作った『木の家』を作成するには『知力』が足りないらしい。他の建物や畑、武器等にも必要な素材と知力が設定されておりそれをクリアしないと作成出来ないようだ。
「くそー、しょうがない。『洞窟』を作ろう」
洞窟を作ろうもおかしいが1GPを使って『洞窟』を作成し、拠点に設定する。拠点がないと死んだ時に復活出来ないし、体力の回復も出来なくなるので仕方がない。それにヴァンパイアには日光ダメージがあるので太陽が当たる場所では戦闘にかなりのデバフがある為危なくて戦う事も出来ない。
ちなみに『日光ダメージ』は非戦闘時以外は1時間毎に体力が1減っていき、戦闘時には受けるダメージが2倍になるというクソのようなデバフだった。
「取り合えず日が暮れるまでは拠点でシステムの確認だな」
取り合えず作成した洞窟に入る。森の中に不自然に出来た洞窟はタタミ2畳分程の広さだった。拠点に入ったら『領地』のメニューを開く。
領地ステータス
広さ:10㎢
人口:1
称号:はじめての拠点
領地ボーナス:なし
「こりゃダメだ・・・発展させるのも結構厳しいな」
次に『ショップ』を開いて何か買えないか確認する。
「全部『準備中』になっているな。ちくしょう、準備期間中は買えないとかなのか?」
買えないものは仕方がないので他の項目もチェックしていく。現状では洞窟しか作れないが、住人の配置は可能だった。ただ、『木材』を得る事は出来そうだが『木剣』の作成は出来なかった。『石器』という項目があるので恐らく『石斧』や『石のナイフ』が必要なのだろう。
「後から海岸に行こう・・・さっき行った時に見かけた『石』って素材はこの為に必要だったんだな・・・」
システムがしっかりヒントを出してくれるのでどうにかなるけど、ゲーム的には結構難しいかもしれない。街作りだけやれればよかったんだけど、この感じだとRPG要素の方が強く感じるな。
「まぁ、始まったばっかりだし最初からイージー過ぎても面白くないもんな。このくらいの難易度ならまだ優しい方だと思うし、もう少しやってみるか」
なんとなく仕組みが分かって来たが住民の配置で問題が出た。初期のゾンビだと日中は活動出来る範囲が狭いのだ。森の中や洞窟の中など日の光が当たらなければ問題ないのだが日光に当たってしまうと消滅してしまうのだ。
「イメージ的に分からなくもないが、これはかなりのデメリットだぞ・・・」
更に問題なのが洞窟に配置したゾンビは視認出来る場所に生物が居ると本能的に動いてしまい、開けた場所に出た途端に太陽の光で勝手に自滅してしまう。まさかの逆アクティブだった。
色々と弄る中で発見した事もある、洞窟を重ねて配置すると2畳分のスペースが追加される。それを利用する事によって地下にスペースを広げて高さ2m程の地下通路のような場所を作る事が出来た。この技はいつか使えるかもしれない。
そしてこの技を使うと稀に『銅鉱石』や『鉄鉱石』を手に入れる事が出来るようで今はまだ加工する事が出来ないが将来的にはかなり役に立ちそうだ。
「まずは位階を上げて知力を上げるのが最優先だな」
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