街作りゲームがしたかっただけなのにとんでもない事になったんだが

@molion

第1話 プロローグ

 「GODGAMEofTHEEARTH」このゲーム広告をクリックした事で俺の人生は大きく変わってしまった。


「は~何か面白い街作りゲームはないもんかねぇ」


 その日も俺は仕事終わりに汚くて狭い自宅のワンルームでネットゲームに現実逃避していた。30才を越えて、世間一般でいう魔法使いにはならなかったが現在彼女なし、大した学歴も才能もない人間ではまともな職にありつける訳もなくほぼブラックな会社に勤めている俺はありふれたモブキャラと言って差し支えない。


「このゲームも流石にやる事無くなって来たんだが、国産ゲーはまだ新作出ないのかねぇ、ちょっと検索してみるか」


 5年近くやっている街作りゲームも決してつまらないという事はないのだが流石に目新しいイベントもなくなって来ており若干の飽きが来ていた。

 

「お、こんなゲームがサービス開始されるなんて情報あったっけ?」


 検索のトップ画面には「GODGAMEofTHEEARTH」という新作ゲームが2時間後に配信されるというカウントダウンのバナーが表示されている。最近調べた時は新作情報に無かったと思うのだが、海外のマイナーなゲーム会社なのか開発元も見た事がない名前だ。


「ZEUSって偉い名前を付けたもんだな、この会社は」


 基本プレイ無料、課金システムなし、ゲーム内広告なし、と貧乏人には良い事しかないがどうやって収益を得ていくつもりなのか。取り合えずゲーム内容に目を通して見る。


「ふむふむ、地球をベースにした街作りゲームと、街を発展させ迫りくる敵から防衛し、領地を拡大・・・より大きな領地を持つ事が出来ますよ、って感じか」


 舞台は現在の地球から人の手によるものを全て取り除いた生まれたままの姿らしい。デモムービーには何とかアースで見るような自然が広がっている。


「更に人と魔物に別れて戦うファンタジー要素もありと、ジョブシステムや進化システムを搭載、本格的な異世界体験も出来る・・・ふむ」


 システム紹介ムービーでは原始人みたいな人間と狼が戦う画面、中世の騎士みたいな人間と犬耳の獣人が戦う画面等が流れている。人間にはジョブシステムが、魔物には進化システムがあるようだ。街作りの要素もかなり本格的でめちゃくちゃ楽しそうに見える。


「かなり作り込まれてるな、これマジで凄くないか?」


 もうこの時点でダウンロードのボタンは押してしまっていた。


「よし、明日は休みだし、徹夜でやってみるか!」

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