第8話 まだ気付く様子がない
ショップを覗くと沢山の項目があり、商品の売買が出来るようになっていた。
「おー、凄い充実感!普通の売買以外にも委託販売とかオークションとかまであるじゃん!」
早速住人の項目をチェックすると1つの種族を解放するのに最低でも100GPが必要なようだ。
「うげ、ゾンビが100GPって事は100GPでも最弱のヤツしか解放出来ないって事か。もう900GPを切ってるからな、考えて買わないとヤバいかも」
それぞれの種族特性を見る事が出来るので1つ1つチェックして行くがやはり安い種族はメリットが少ない。ここで思い切って高い種族を解放するべきか、取り合えずの急場しのぎで安い種族にしておくか。かなり迷う。
出来れば人型の種族の方がいいが、そうなると安いのはゴブリンかコボルト。戦闘力は低いが必要GPが低く、繁殖スピードが速いのが売りらしい。あと気になったのはウルフとホース、こいつらはゾンビライダーというのに進化可能らしく、ゾンビと一緒に配置しておくと死んだ後に蘇ってゾンビを乗せてくれるらしい。何それめちゃくちゃかっこいいと思ってしまった。ただ、ウルフはさて置きホースはそもそもが人間用の乗り物らしく基礎的な戦闘力はなく、単体では戦力にならないのが問題だ。ウルフは昼間の活動も可能だし自然繁殖もする、更に死んでも利用可能となるとかなりの魅力を感じる。
「俺の系統が不死系だからなぁ、買う以外で昼間活動可能な住民をゲット出来ないのが辛い所だぜ」
逆を言うと夜目が利かない生物は夜間の戦闘力が下がるっぽいのでまるっきりのデメリットという訳でもない。特に人間は夜寝る生き物だからね。後は不死系は維持コストがほぼ掛からないってのが一番大きなメリットになる。それに人は増えれば増えるほど食料が必要になるからね、食料を作る為には農地であったりが必要になるし、そうすると必要な土地が増える、防衛に回す戦力とかも必要になるから領地の運営コストの面で考えるとそう悪くない選択だったと思う。
話が逸れたけど、ここで選択肢に入るのはウルフ、次点でラット、スネーク、ゴブリン辺りか。現状攻め込んで来ているのがゴブリンが殆どなので将来的な支配を視野に入れるとゴブリンは省かれるのでウルフに決めてしまっていいかもしれない。
「よし、ウルフ、君に決めた!」
ウルフを購入し、早速配置しようと思ったのだがその前にショップの確認をしておこう。『買う』のは今ので大体わかった、武器やスキル、素材から施設に家具、変わったものだと地球の食材とかもあった。
『売る』をを試してみようと手持ちの素材を売ってみたが殆どが1GPにしかならなかった。『オークション』はまだ開催されておらず一番下にある『委託販売』を押すと面白い事が分かった、なんと素材以外にも住民を売る事が出来るのだ。
昨日掲示板を見た限りだと最初に選んだ種族によって初期の住民が違うのは勿論、場所によって生息しているモンスターや素材にも差がある事が分かっている。
委託販売は種族を解放する訳ではないが他のプレイヤーから住民を買い、自分の領地に配置する事が出来るようだ。配置した後は同種族を近くにおいておけば自然繁殖する種族もいるし、意外と面白いかもしれない。
俺の場合はゾンビ1体が1GPで配置出来るが、委託販売では好きに値段を付ける事が出来る、最低でも2GPにしておけば少ないながらも儲けが出来るのでやってみてもいいかもしれない。
しかも親切なのは在庫を持つ必要がなく、予め販売個数を設定しておけば、その数までシステム側で自動的に生成と売買を行ってくれる仕組みになっている。
「大量に配置するなら種族を解放した方がいいけど、お試しとかで買ってくれる人がいるかもしれないから設定だけしておこうかな、俺も試したい種族あるし」
取り合えず1000体を2GPで設定して、ウルフも同じく1000体2GPで設定しておいた。薄利多売の精神で1GPで入れば儲けものだと思おう。
「あ、そういえば塩が高かったな。うちの領地には塩なんて必要ないから興味なかったけど後で大量に作って出品しとこう」
塩はいつの時代も人類にとって大事な物だよね。
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