第9話 まだまだ気付かない
ショップを閉じて、ウルフをそれぞれ配置する。嬉しい誤算としてはウルフには家屋が必要なかった事か。武器も必要ないのですぐ防衛部隊に配置したのだが、代わりに食料が必要になってしまった。画面を見ていると畜産資源の減りが少し早くなったのでウルフ達が動物を食料にしているのだろう。
「よし、とにかくこれで防衛はバッチリだな」
取り合えず食料問題はあるが日中と夜間の防衛部隊が配備完了し、外敵を防ぐ事が出来るようになったので一安心だ。
「っと、すぐに塩を作って売りに行ってこよう」
次は海岸に向かい『塩』を大量に生産する。これも1アクション1秒、1GPで終了する、それで市販の袋サイズの物が1つ手に入る。アクションに対して多すぎる気もするがゲームなので気にしなくていいだろう。物理法則は都合良く出来て居るものなんだよ、ゲームというのは。
塩を作成し委託販売に登録出来るようになったので早速設定しに行く。なんとショップの販売価格では5GPになっている。これなら4GPでも大量に売れるかもしれない、海が干上がる事はないだろうから皆沢山買ってくれよな。
再びショップから戻るとお昼を少し過ぎていた。
「ゲームしてると時間があっという間に過ぎるなー」
そんな暢気な事を考えながら何か引っ掛かりを覚えつつも遅めの昼休憩を入れる事にした。
「あれ、スマホ繋がらないじゃん。また通信障害か?まったく・・・」
仕方がないのでゲームの画面を見つつカップ麺をすする。
「えーっと、なになに『称号を手に入れました』ふむ?」
ズルズルと麺をすすり、ログを遡っていく。
『称号:ファーストプレイヤー』
『称号:始祖』
『称号:第一村人』
「ぶはっ!?ごほっごほっ」
『特別報酬:1,000,000GP』
『種族が変化します:始祖ヴァンパイア』
『報酬:100GP』
「・・・はぁああああ!!??ドウイウコト!?」
『称号とは貴方の行動が神に認められた場合に手にする事が出来ます』
『称号には功績に見合った報酬が授与されます』
「それがなんでこうなるんだ・・・」
それぞれのテキストはこうなっていた。
『ファーストプレイヤー:ゲーム開始後初めてログインしたプレイヤー。特別報酬として1,000,000GPが与えられる(限定1名)』
『始祖:ヴァンパイア種族を選んだ最初の人物に与えられる。進化し、全てのヴァンパイアの祖となる(限定1名)』
『第一村人:自らが1人目の村人となる全てのプレイヤーに祝福を』
「ありがたいけど、むちゃくちゃなんだが。他の人が1,000GPスタートなのにいきなり100万ってちょっと度が過ぎないか?いや、ありがとうございます。有意義に使わせて頂きます」
これだけGPがあればスキルだって買い放題、住民も解放し放題、施設だって買えるし、高級装備も買えちゃう。やばい。
「まだあるな・・・」
『準備期間が終了します。本当にゲームを始めますか?』
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『残り時間3分』
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『残り時間1秒』
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『世界がリンクします』
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『ようこそ「GODGAMEofTHEEARTH」の世界へ』
「ふむ、これで一番上まで来たな。何の確認だったんだろうか?」
かなり驚く事が起こったが一旦メシを食って、ミルクコーヒーを飲んで落ち着こう。なんなら昼寝しちゃおう。
短い昼寝から目覚めてもログに変化はなかった。画面の向こうでは防衛部隊のウルフがゴブリンを囲んで戦っている。特に新しいアラートは出ていないようだ。
「まだゲーム内は昼間かー動けないなぁ、進化したステータスでも確認するか」
名前:モリオン
種族:始祖ヴァンパイア
位階:-
称号:ファーストプレイヤー
固有スキル:限界突破
種族スキル:常闇の帝王
能力値
体力:-/-
知力:666/666
『限界突破:すべてにおいて限界がなくなった。そして死という概念すらも越えてしまう』
『常闇の帝王:種族スキルの全てを備える。あなたが歩む場所は闇に満ちている、もう二度と日の光を浴びる事はないだろう。誰にも縛られず、そして全てを支配する』
「いやいや、チートやーん・・・・・・・」
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