第16話 セカンドコンタクト
ダークエルフの集落を後にして次はダークドワーフの集落に向かう。将来的な技術の集約地にする予定でいる為、ダークドワーフにもリーダーが必要だろう。まぁ、現状ではまともな製品等もないのだが。
「見た目は画面のままだなー」
空を飛びながら等間隔に並んだ家屋を見つつ、開けている場所に降り立つ。ここでもダークエルフの集落と同じ様に住民は大騒ぎだ。嬉しい様な恥ずかしいような不思議な気分だが、これから先の事を考えると慣れるしかないだろう。
「えーっと、ダークドワーフのまとめ役になる人を1名眷属化します、やりたい人いる?」
「はっ、ワシを、いえワタクシを眷属として頂きたく・・・」
出て来たのはイメージ通りのドワーフで、茶色い髪に長い髭、種族全体で身長が低く、筋肉質で色黒の健康的なおっさんだった。女性は髭が無く、身長が低い可愛らしい感じがする。
現状では文明度が低く、ゲームのシステム的な知力を上げるしか役割として持っていないが将来的には文明度が上がり、様々な武器や道具等を作る役割を担う種族になる。はっきり言って普通の人間種とドワーフ種では道具の品質や文明の上昇率が1.5倍は変わってくるだろう。長い目で見ても人口の増加率では劣るが知力で勝る分、強い領地に変化していくはずだ。
「いいよ、普段通りの喋り方で。じゃあこれから君はジロー、よろしくね」
「はっ、ありがたき幸せ」
ガチガチに緊張するガチムチのドワーフっていうのは見てて面白いかもしれない。
「これからここはうちの領地の技術の研究場所になって大きく貢献して貰う事になると思う、頼んだよ」
「お任せくだせぇ!!」
リーダーを決めたらガチムチドワーフに将来的な展望を伝えていく。俺的には現在配置している2つのダークドワーフの集落を1つは武器防具を中心に、1つは道具や建築関係を中心に研究して貰おうと思っている。その中で向き不向きがあるだろうから自由な移動も認める。なんなら適正があればダークエルフと協力して貰ってもいい。もう1つの集落のダークドワーフにはサブローを名付けるつもりなのでジローとサブローで協力して発展させて欲しい。
ちなみにダークエルフの方は魔法関連と製薬や錬金術関連で考えている。もう1つのダークエルフの集落のリーダーにはヨツバと名付ける予定で内政に関してはこの4つの集落を中心にするつもりだ。もっと文明度が上がれば自分達で上手く役割分担をしながら発展してくれる事を期待したい。名付けについてはセンスがないので勘弁して欲しい・・・。
2つの集落と同じ様に残り2つの集落を回って説明を行ったのだがどこに行っても熱烈な歓迎を受けた。どうしてかと聞いてみると「領主様は神様と同じですから」と言われて若干戸惑ったものの、確かに俺が操作して生み出した以上は無から作り上げた事になるのだがそれは神の御業と言われてもしょうがないのかもと無理やり納得する事にした。
最後に何か必要な物はないか聞いた所ドワーフ達からは鉱山を、エルフ達からは世界樹を所望された。鉱山は過去の歴史を調べると佐賀県に金銀が出る鉱山があるようなので今後は小さい山を採掘しながら佐賀方面に優先的にエリアを広げようと思う。一応『鉱山』というのが地形として配置出来るようになっていたので新しいエリアを手に入れたら小さな鉱山を配置すると約束した。
世界樹についても同じようにGPで配置出来るのだが一番グレードの高い世界樹の大樹だと100万GPも掛かる様なのでエルフ達には申し訳ないが世界樹の若木を10万GPで配置する事を約束した。これは俺的にもかなりのメリットがある『施設』だったのでその場で整地して配置して上げた。
「うーん、後はどうするか、一応ゾンビも眷属化して実働部隊としての役割を持たせるべきか・・・ちょっと行ってみるか」
ゾンビは俺の種族の基本配下になるので切っても切れない関係ではある。意思の疎通が出来るか分からないが出来れば知力を上げて文明的な生活を送れるようになって欲しいと思う。
ゾンビやスケルトンは防衛部隊としてエリアの端々に配置してあるので空を飛んで移動する。こやって上空から見ると子供の頃おばあちゃんの家に遊びに行った道とか景色を思い出すかと思ったが自然が広がりすぎていて面影すらなかった。
「お、いたいた。・・・臭いはないな」
これは後から分かったのだがゾンビが臭くないなんて事は無く、外敵にはとんでもない悪臭に感じられるらしく、それを知った時は本当に味方で良かったと思った。
「うーむ、指示には従うが理性はない感じか・・・」
ゾンビやスケルトンはこちらを確認すると集合して整列したが言葉らしい言葉を発する事もなく、唸っているだけだった。こちらが話し掛けても理性を感じるような反応はない。ウルフに関しては大人しく伏せをしている状態だ。
「しょうがない、適当に1体眷属化してみるか」
仕方ないので適当に眷属化を掛けると急に光りだし、外観が変化していく。
「進化させて頂きありがとうございます。また知性がなく、御身に不快な思いをさせた事お許し下さい」
「お、おぉ」
なんか進化した。
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