第11話 やってやる
「やってやる・・・」
まず始めるのは領地の拡大。進化によって知力が大幅に上がりやれる事が一気に増えた。更には大量のGPを手に入れた事によって大きな強化が可能になっている。そしてそのGPを元手にもっともっとGPを増やす。
まず強化の為に種族解放をしようとお目当てのドラゴンを探したが一番下位のドラゴンでも100万と、かなり高かった。流石にこれを買ってしまっては領地経営に問題が出そうなので一旦諦めた。
そうなると次は不死族の解放か航空戦力の解放、将来を見据えてダークエルフやダークドワーフを解放して文明レベルの向上を狙うのもありかもしれない。
いくらGPを持っていたとしてもある程度の文明レベルがないと近代化された軍隊等は作成出来ない。いまだに家屋は竪穴式住居だしね。歴史は一朝一夕では作れない、他の歴史ゲーや街作りゲーでもそう要素はあったのでそこは素直に受け止めるしかない。
まだこのまっさらな世界で俺の領地の文明レベルは1、まさに原始時代という感じでしかない。現状だと明らかに魔物側が有利なのだが、近代レベルになると人類側が大きくリードする可能性が高い。手の届く範囲は出来る限り人類側のプレイヤーの邪魔をしつつ文明レベルが上がらないように牽制し、こちらは隠れて上げる計画でいる。
初期のエルフはある程度魔法が使えるひ弱な人類でしかないがデモムービーではとんでもない魔法をバンバン打っていたし、ドワーフはその名の通り優秀な職人に育つ下地がある。人類と魔物はそれぞれが違う進化を辿るようで、それはゲームシステムにもしっかりと作り込まれている。
魔物の進化とは単体としての強化であり、種としての強化ではない。更に知力が低い為自力では文明レベルの発展にかなりの時間が必要になる。
逆に人類の進化は種としての進化であり発展でもある。ジョブシステムを駆使して魔物にはない全体としての進化が脅威になるだろう。
先ほど挙げたダークエルフ等は人類側に近いシステムを持っている種族になる。魔物側としては彼ら人類に近い種族を上手く成長させて進化していかないといけない。例えばドラゴンはいくら進化してもドラゴンなのでいくら知力が高くなっても兵器の開発という道には進まないし、一度倒されてしまえばその個体は居なくなってしまう。勿論一度進化の道筋が示されているので2匹目からは早く進化する可能性もあるが最初から最強無敵という訳にはいかないのだ、数という点では人類に負けてしまうだろう。
「まずはダークエルフ、ダークドワーフ、各種獣人に進化する種族を解放。更に戦力として不死族を解放だ」
『ダークエルフ:魔物側では一番知力が高く、魔法に精通する。自然繁殖スピードが遅い代わりに長い寿命を持っている(100,000GP)』
『ダークドワーフ:非常に優れた技術を持つ種族。自然繁殖スピードはエルフより早く、人族より遅い。また人族より長い寿命を持つ(100,000GP)』
『ワーキャット:人型に進化する猫系の種族。進化度によって見た目と能力が変化する(10,000GP)』
『ワーウルフ:人型に進化する狼系の種族。進化度によって見た目と能力が変化する(10,000GP)』
・
・
・
『スケルトン:非常に脆い。進化しても受肉する事はないだろう(100GP)』
『ゴースト:霊体の魔物。物理攻撃が効かないが光魔法を浴びると成仏してしまう。進化しても受肉する事はないだろう(100GP)』
『ホース:基本的に戦闘力はないが利用範囲が広く、環境によって様々に進化する可能性がある(100GP)』
・
・
・
これ以外にもいくつか種族解放しておいた。少し高い種族もいるが将来的な拡張性も見据えてケチらずにGPを使った。GPを稼ぐ必要があるが今の所有用な種族の販売は考えていない。自然繁殖しないスケルトン、ゴーストは売ってもこちらにデメリットが少ないので販売するが人系種族は繁殖が可能なので販売はしない。出来る限りこちらのアドバンテージを保っておきたいからだ。ホース系は利用価値が高いが解放は安いのでこちらは大量に販売してもいいかなと思っている。
不死族を解放したのにも理由がある。スキルによって俺が領有する領地は常に日の光が入らない事になる。それにプラスして俺を中心とした領地分の範囲は例え敵の領地であっても光を遮る事が出来る、それによって侵攻にも使えるようになったからだ。
委託販売を登録してショップを出るとすぐに住民として配置していく。謎システムでパソコンの画面で操作出来るのは非常に助かる。俺は自分の体を動かすのではなく、ゲーム画面で発展する様子を見る方が好きなのだ。
「これアクション系好きな人は自分の身体で冒険したりするのかな?」
俺が自分の部屋のパソコンで操作出来て居る以上、他の人も同じ条件だと思った方がいいだろうな。ショップにあった家具や建物、地球の食材なんかの意味がやっとわかった。そりゃこんな世界に来たら地球の食べ物が欲しくなるわ。
「理解したくないけどな、玄関開けたらゲームの世界だなんて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます