第14話 おしえてAIさん
ある程度の方針が決まり領内の整地と整理を行う。まずはメインの領地をダークエルフとダークドワーフのエリアとし、出来るだけ秘密裏に文明レベルの発展を狙っていく。侵攻予定の3方向のエリアには獣人種を種族毎に配置し、火山がある半島はモンスターのエリアとして、内海沿いに街を発展させるつもりでいる。
ちなみに余裕が出来たら火山にはドラゴンを配置するのが今の夢になる。後は島の近くにも騎乗用としてペットにしたりとか。やっぱりドラゴンは男の浪漫だからね。
かなり時間が掛かると思うが最終的には鉄道の運用を考えているのでほぼ近代レベルでの都市開発をしたいのだがモンスターと近代技術の融合の姿がイマイチ見えていないので大まかな予想図で動くしかない。まぁ、パソコンの画面上で操作出来るからそんなに大変ではないのが救いだな。
「ふぅ、結構GPが減っていくな・・・」
実際問題あれだけあったGPも既に50万を下回ってしまっている。
「だけど部屋の中と部屋の外で時間の進み方が違ったのは想定外だったな」
初日は混乱して気が付かなかったのだが部屋の中にいると部屋の外の時間が進んでいるようだ。というのも初日にびびって部屋に篭ったきり2日出ていなかったので外の空気を吸おうと玄関を開けると雪が降っていたのだ。
部屋に窓はついていたが転移?の影響か真っ暗で外の景色が分からなくなっていた。唯一外の情報を得られるのは玄関を開けた時だけ。
『基本的なシステムは最初に公開された状態から更新されていません』
AIさん的には聞かれたら答えるけど、チュートリアルとゲーム説明でちゃんと教えたよね?ってスタンスらしいです。今後はもっとAIさんに頼りたいと思います。
『承知しました』
そして最近会話も可能だという事に気づいた。初日の俺はよほど混乱していたのだろう。
「えっと、つまり部屋の中に居る間はオートなのでどんどん時間が進んで周囲の状況が変わるって事ね?そんで現実の1年がゲーム内では100年になると、そしたらワールド統合ってのは発生するんだね?」
『その認識で間違いありません』
「それって他のプレイヤーとの差が凄く出来たりしない?」
『詳しく話す事は出来ませんが神によって全てのプレイヤーの最終的な時間軸が合致するよう因果律が操作されています。その為、プレイ内容によっては大きな差が出る可能性はあります』
「・・・つまり、どうゆう事?」
『このゲームはプレイヤーに与えられた領地毎に独立した時間が進んでいます。あなたが何時間プレイしようとその結果は見た目上他のエリアに影響しません。こうしている間にも神AIにより無数のパラレルワールドが発生し消え続けおりゲーム上には常に勝者だけが存在しています。あなたがこうしているという事はこの時間まで負けていないという事です』
「難しくて分からんのだが・・・」
『全てのプレイヤーには平等に時間が与えられています。その時間を使って出来る限り成長し、その結果生き残るのも死ぬのもあなたの行動次第という事です』
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更に1日を使いAIさんに質問しながら今後の計画の為に時間を使った。それによりゲームをクリアする為に優位に立つ方法と敗北条件が見えてきた。
まず敗北条件としては『死亡』もしくは『ゲーム終了時点での敗北陣営』のみ。勝利条件は明確で『ゲーム終了まで生き残った勝者陣営の領主』。
例外的に『ゲーム終了まで生き残った勝者陣営の配下』というのがあるがここはまぁいいだろう。ただし、ここでは分かっていない条件がある、それが『ゲーム終了』と『生き残れる人数』だ。その辺りはどう聞いても分からなかった。
優位に立つ方法はすでにクリアしていた。それはGPの入手とワールド1で始める事。
これは沢山の質問をしている中でたまたま知る事が出来たのだがこのゲームはワールド毎に独立しているが、最終的に1つのワールドに統合する為に古いワールドの上に新しいワールドが重なるそうだ。この『統合』と言われる現象が曲者だった。
簡単に言うとワールド1のプレイヤー全員がゲーム内時間軸にして100年に到達した時点でまずワールド1とワールド2が統合される、その時に重なりあう世界で同エリアを占有するプレイヤーが居た場合そのエリアを掛けた戦いが発生する。それを100年毎、現実時間で言うと1年毎に繰り返して頂きます。
この時に何が起こるかというと一番早く時間軸が進んだプレイヤーが現れた場合、そのワールドの全てのプレイヤーが同じ時間に到達するまで到達した人達の時間は止まっているという事。勿論神AIによってしっかりと処理されているので俺達には分からないらしい、なのでプレイ時間による差というのは生まれないらしいのだ。
戦いが何かと言うと、例えば俺が10個のエリアを占領していたとする、ワールド2のプレイヤーがそのうちの1つのエリアにだけ重なっていた場合、俺はそのエリアのプレイヤーを殺せばそのエリアを守れる。俺は殺されるかもしくはその重なったエリアが拠点エリアでなければ通常の侵攻のように条件が設定され、それを相手にクリアされてしまうとエリアを奪われてしまう。
逆に俺が持っている10個のエリア全てが相手が持っている20個のエリアの中に入っていた場合、俺の勝利条件は10個のエリア全ての条件をクリアするか、相手のプレイヤーを殺すしかなくなる。
つまりこのゲームは限られた時間の中でより多くのエリアを占領した者が有利になる。ワールド毎に設定された時間に差はあれどワールド1で始めた俺は他のプレイヤーよりも多くの時間が使えるのでそれだけ優位に立てるという事だ。
勿論ワールド毎に準備期間もスタート時点での文明度も違うので戦力的な差が出ないような仕組みにはなっているようだが今回の俺の様に行き成りデスゲームに放り込まれて冷静な人間はいないと思うので先行ワールドのプレイヤーの方が精神的にも優位なのは間違いないだろう。
「確実に他人よりも多いスタート資金を手に入れているのもデカいしな」
例外としては重なるエリアのプレイヤーが同じ陣営だった場合。その場合は戦闘を回避して『降参』すれば配下となって自分の命だけは守る事が出来る。その場合は生き残ったとしても報酬を手に入れる事が出来ないので旨味はないだろう。
イメージとしては陣取り合戦が一番近いだろうか。やる事が段々と明確になってきたな。
「今すぐ本気だす!!!」
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作者より
第25話との時間軸の調整により本文に修正を加えております。申し訳ございません。今後とも皆様に楽しんで頂けるような作品を目指しますが、何分素人の見切り発車の作品ですので暖かい目で見守って頂ければ幸いです。
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