飛行機の性能を見極めるためパイロットは今日も飛び、墜落し、死に戻る
「こんな機体で大丈夫か?」
「大丈夫よ! 私が設計した機体なんだから問題ないわ」
「絶対落ちるフリだろそれ!」
テストパイロットの三木勝士は、幼馴染みで女性航空設計者の滋野ジャクリーヌ露子に叫んだ
人類が初の有人動力飛行に成功して三十年。
時代は航空開発時代に突入していた。
毎年、様々な航空機が作られるが、新分野のためどんな欠陥があるか分からない。
そこで実用飛行、人を乗せる前に飛行機の安全性や性能が満たされているか確認するための専門のパイロット、テストパイロットが誕生した。
その中に敷島皇国海軍のテストパイロットとして活躍した三木勝士がいた。
幾多の新記録を樹立した伝説のパイロットとして名を残している。
だが、それは三木の特殊な能力、<死に戻り>によるものだった。
新記録に挑戦して失敗して死ぬと<死に戻り>が発動し飛行前に戻る。そして欠点を洗い出して飛び新記録を樹立したのだ。
飛行機の発展の為に、幼馴染みの露子が開発した試作機に乗り込み奮闘するモルモット、もとい、テストパイロットの物語である