記憶喪失の青年はカフェで働き学園に通う ～失った分の幸せを取り戻すまで～

高校一年生の夏休みに交通事故で家族と記憶を失ってしまった青年、七識舞宵（ななしまよい）は困り果てていた。
記憶と思い出を失ってしまったため家族の死にどう向き合えばいいのかわからず一人ぼっちになってしまう。そんな状態で学校に通えるわけもなく出席停止扱い。さらには頼みの綱であった施設にも入所できず、帰る家もお金もない。舞宵は文字通りすべてを失ってしまったのだ。
そんな絶望的な状況の中、舞宵は親戚を名乗る若い女性に引き取られる。なんでもその人は新しくカフェを開くのだとか。七識は面倒を見てもらう代わりに何故かカフェのスタッフとして働くことになる。
「ねぇ舞宵くん、そろそろ復学してみないか？」
働き始めてしばらくした頃、マスターとなった女性からそう持ち掛けられた舞宵は記憶を失う前に通っていた学校へ再び…続きを読む