概要
その死体は、凶器――解剖室は監察医を閉じ込める檻と化す。
大学の解剖室に持ち込まれた禍々しい遺体。
名指しされた解剖医に、恐るべき罠とタイムリミットが迫る――
「横溝正史ミステリ大賞」予選 &「日本ミステリー文学大賞新人賞」予選通過作品
名指しされた解剖医に、恐るべき罠とタイムリミットが迫る――
「横溝正史ミステリ大賞」予選 &「日本ミステリー文学大賞新人賞」予選通過作品
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- ★★★ Excellent!!!悪意を放つその遺体は、復讐の道具なのか、それとも……。
物語は衝撃的な遺体の発見で幕を開ける。
遺体には首が無いだけではなく、常識的な医学ではあり得ない状態で発見されたのだ。
主人公である秋月は、犯人の指示に従ってその遺体を解剖することになる。
解剖室内では犯人のしかけた罠が次々と作動し、緊迫した状態が続くのだが、圧倒的な迫力、息もつかせぬ勢いで読ませてくれる。
悪意の塊のような遺体は、単なる復讐の道具なのか、真実は何処にあるのか、と読む手が止まらず先を求めてしまうほどだ。
倫理か、探究心か。友人だった二人の医者の、どちらも引けぬ己の信念。その対立が事の発端となったことが悲しい。