カクヨム短歌賞【ナツガタリ'25】(1首部門)、今回のコンテストのまるでトリを決める様に放たれた滝口アルファ様の短歌となります。
現代短歌の代表のひとりである穂村弘氏が、短歌を評する時に「共感と驚異(シンパシーとワンダー)」という言葉を使われます。私は正にそうだと思っています。現代短歌において、口語体による「わかりやすさ」、そこだけに着目してしまうと陥ってします「罠」の抜け出し方を的確におっしゃっていると思います。
さて、本作において滝口アルファ様は「自由に詠んでみました」と書かれておりました。
ここまで幾つもの歌を詠まれてきた筆者様が、最後に肩に力を入れず、軽やかに、のびのびと、ただ短歌を詠む楽しさを心の底から解き放っておられる様に感じました。
白昼の時間を5秒だけ止めてバク宙をする自由の女神
オープニングを飾るこの首から、もう素晴らしさが炸裂しております。軽快な印象を与える楽しそうな首、でも深読みすれば色々と難解な風刺すら見えて来る不思議な首です。
そしてコピーにも使われております首。
金色のペガサス流す銀色の涙がきれい また会いましょう
素晴らしいです。とても美しく、そしてさらに深く読み解くことが出来ます。その辺りは皆様のご想像に任せると致しましょう。私にはとても印象的な首と感じられました。
お勧め致します。
今回のコンテスト、そのレベルを間違いなく上げておられる筆者様の最後の応募作品、私は強い敬意とリスペクトを込めて、ご紹介させて頂きます。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)