S5.1 精霊の具現化 11月21日

――郷宮市 南西地域:アパート――


▶月奈に呼ばれたので行く途中、幣原の住んでいるアパートの大家さんに呼び止められます


大家さん「いくらアパートにお家賃払ってるとはいえ、床が抜けるほど物を置かれるのは困るんですよ。来月から抜いた部屋の分のお家賃も支払ってもらいますから。それと修繕費と破裂させた水道管代も」


幣原「はい……ごめんなさい……」

澪和「やっぱりゴミ屋敷はダメなんだよ……。掃除しなきゃ」

幣原「ゴミじゃないですよ、これは全部大事なものですよ。掃除は……まあします……」


南雲「あらら。虫湧いてない?大丈夫?ヤバそうなら安くしとくよ?」

凛「すごいことになってるねぇ」

幣原「さすがにそこはちゃんとしてるから!住み続けられてるから……」

澪和「もう大人なんだから生活くらいちゃんとしないとダメだよ。これじゃ月奈さんのところ行くどころじゃないじゃん」


――月奈の研究所――


▶いつも通り月奈は出迎えてくれますが、南雲を見ると少し不機嫌そうな顔をします


月奈「あれ~?知らない子がいるね。私への捧げ物だったりする?」


空「こんにちは月奈様。残念ながらこちらは人権を獲得なさっている方で、……クモさん、でしたっけ」

南雲「南雲!南雲花束です!」


月奈「な~んだつまんないの。見た目と口だけ偉そうな面した雑魚だし私へのおもちゃだと思ったんだけどなあ」

月奈「まあこんな雑魚はいいの。今回呼んだのはね、精霊を捕まえてきてほしいのよ」


空「精霊、ですか」

羽生「……見えるの?」


椊田「本来精霊は君達みたいな木っ端が見れるものでもなければ、相手してなんとかなるようなものでもないんだがな」


南雲「まさか本当に生贄……?」

凛「じゃあなんでわざわざ?」


月奈「おねーさん達さあ、アイリスオンラインって知ってる?」


▶空 ゲーム[風音]

 成功

▶幣原 ゲーム

 成功

▶アイリスオンラインは2007年からスタートした作品です。

MMOとソシャゲの間のような感じですが、半ダイヴ系が魅力で実際にその世界で冒険しているような気分を味わえるのが魅力のシリーズです。

今年の11月にスマホでアイリスオンラインⅢが正式サービスを開始しています。

人気はそこそこですが、表現規制などがマジで全く全然これっぽっちも本当に無でないので厳し目の表現規制のゲームの抜け穴のような勢いでR-18絵が書かれまくっています。

事前登録していると秋月このはがパートナー枠で一緒に冒険してくれるのが一時期話題になりました


羽生「ゲームはちょっと疎くて……」


月奈「まあ知らなくてもいいけど。おじさんのオナペットが後ろからてくてくついてくるのが可愛いとかなんとからしいよ」


南雲「言い方に配慮がなさすぎる……」

幣原「身もふたもない……。でも、かわいいキャラがついてくるし楽しいゲームですよね」

椊田「このクソガキ……。アイリスオンラインⅢは紅葉と冬泉が共同で開発した夜叉育成ゲームの側面もあってな。ありとあらゆる表現方法を捻出するために表現法に対して制限をかけていない」


空「このはさん、でしたっけ?パートナー枠だったような気がしますが、そうだったんですね」

みあ「便利だねえ」


月奈「じゃあいらないというか、公式に輸入出来ないタイプの表現ってあるじゃない?それこそ、全員に配布したこのはちゃんがゲーム内で便所のように撒き散らされている事実とかさあ。本人に伝えたら泣いちゃうよ?」

月奈「まあ臓物でも四肢でも精液でも容赦なくぶちまけられてるけど。でもね、いらない事実だって事実ではあるんだよ」


凛「へー、だからそんな闇深そうというか実際闇深いんだー」

幣原「そ、それはあまり知りたくない世界でしたが……、なるほど。本当に自由だからこそ、ということかな……」


月奈「そういった事実をこう、キュッとして出来るのが人間の想いの塊になるってこと。これさぁ、精霊と同じ原理なの」


南雲「ゲームを媒体に共通認識を深めて悪鬼で行動しやすいようにしよう、ってことなんだろうけど……。その話だと良くないイメージが独り歩きしていきそうな……」


月奈「雑魚ほど利益があるのに良くないイメージとか傷ついちゃうなあ。足の2本くらいで許すのを考えてあげてもいいよ?」

月奈「そこの機械に足乗せるだけで終わるから♡」


南雲「強い妖怪は憧れるけど悪い妖怪にはなりたくないので……」

みあ「本人の関係ないところで別の本人が生まれる感じ?ドッペルゲンガー?」


椊田「二次創作だったものが独立してなんか別キャラになっていった結果違う作品になる……が近いかもしれん。公式の解釈と二次創作の解釈が剥離していっても、二次創作のキャラを見るときに脳に思い浮かぶのは大元の公式作品タイトルだろう。が、その公式に種類があるとその概念認識に人によって差異が生じてくる」


月奈「SNのイリヤとー。プリヤとー。シトナイは違うでしょ?」

月奈「それって妖精の発生原理と同じなのよ。じゃあ妖精じゃなくてもっと濃厚抽出して精霊化させて悪鬼潰すのを手伝わせる奴隷にしちゃおうってこと。紅葉は人権保障するだろうけどその前に名実化させちゃえばいいから」


椊田「事実として、紅葉では妖精には人権が保証されるが、精霊は所有物として扱われるんだ。人権保障の進んでいない冬泉や皇なら余計にそうだろう」


月奈「当然、手伝ってくれるよね?」


南雲「ノーって言ったら……いや、言いませんけどね!?やりますよ!やります!」

空「もちろんお手伝いさせていただきます」

幣原「ひたすら真っすぐな言葉ですね……」

羽生「精霊化させて調教……、ね」

凛「いろいろな意味でこわいなぁ」


月奈「月奈、物分りのいい人は好きかも♡じゃあとりあえず固めてきて?」


▶月奈は持っていたスパナをすっと正面に向けると、白い悪鬼が出てきます


月奈「死んでも材料になるし、無駄にならないから安心してね」

椊田「まあ、そうだな」


凛「それもやだなぁ」

羽生「ワワ……。みんな思い出のデバイス持ってるんだ。近所の見回り程度できただけだから忘れちゃった」

南雲「はい、コレ。余分に持ってきてよかった……」

羽生「助かるよ」

みあ「いろんな色見たけど、これはあんまり危なくなさそうな色してるね」


椊田「白は人工で作ったものだからな。本質的には神のものと原理は変わらんよ」


南雲「もうちょっと人材を大切に扱ってくれても……と言ってもなー……」

幣原「私たちはちゃんとお仕事完遂していますから……」


月奈「人材って言えるほど人間として使い物になってほしいよね。紅葉だって資源が湧いて出てくるってわけじゃないんだよ?」

月奈「ねえ?人間さん?」


幣原「すぐに使える人になってみせますよ」

澪和「早く月奈ちゃんにも認めてもらわないと……!」


――そこそこの広さのワンルーム――


▶中に入ると、女の子が3人いますね。赤い服、青い服、緑の服をしていますね。そのうち、椊田が悪鬼に入ってきます


椊田「説明が全然出来てなかったな。こいつらは弥上海夕いやがうえ みゆって名前のENOKIの新人Vtuberだ。そいつに書かれがちの二次創作のパターンをざっくり3つに分けた」

椊田「左の赤いやつ。明るく純朴な少女らしく明るく優しい太陽のような二次創作をされたのを集めている」

椊田「中央の青いやつ。どうやらヒナや夏乃に振り回される不憫属性がついているようだな。ちょっと可哀想な二次創作をされたのを集めている」

椊田「右の緑のやつ。どうやらこの子は歌枠の配信が好評らしいな。ENOKIの歌姫とか呼ばれているらしい。性格の割に近寄り難さがちょっとあるのを強調させた二次創作をされたのを集めている」


椊田「この中で選びたい1人以外を皆殺しにしてくれ。そうするとこの子のありがちメジャー属性が固められて精霊として使えるようになるってわけだ。これを渡しておく」


▶椊田は紫のボールを渡します


澪和「これは?」

椊田「マスターボールだ。説明は……いらんな」

椊田「月奈に飽きられない程度には帰ってこいよ」


▶弥上海夕はマリンワンピースに麦わら帽子の、黒のボブカットの少女ですね。

恥ずかしがり屋なようで、あまり目は合わせてくれませんが意見はそれなりに出してくれるのが魅力のENOKIのVtuberです。

これと言った強い個性がない為に箱推し以外からの知名度はあまりありませんが、イチャラブ系のR-18ではそこそこの知名度があるので名前は知らないけど裸は見たことのある男性はそこそこいます


凛「物騒な博士だなぁ」

空「考えを纏めてから作業に取り掛かりましょう、好みの子は誰ですか?」

南雲「あいにく、我々には区別がロクにつかん。どれを生かすかは……ニンゲン様におまかせするとしようか」

羽生「……妖怪じゃないし、なんでも」

澪和「く、来るよ!」


▶戦闘前行動 羽生 ゲシュペンスト、ブッソール

▶戦闘前行動 空 瓊音

▶戦闘前行動 南雲 毒蜘蛛の構え(強化装甲:フレキシブルソード、ルチアの錆、ブリッツホーネット)

▶戦闘前行動 幣原 力の盾改 エレメントウィスプ

▶戦闘前行動 凛 サンカイメヒメカ 聖なる光

▶戦闘前行動 青い弥上 毒舌スルーできない病(毒を無意味化)


▶赤い弥上 

太陽のような笑顔(同じマスの対象全体に精神6d6)空羽生南雲

ファイアー・ボール(火。起点10m魔法生命6d6)凛

 22ダメージ

 24ダメージ


▶青い弥上 センパイからのストレス(自分に毒2d6を付与)

[どんよりとした心(敵全体に自分が付与された毒を拡散する)]


▶緑の弥上 

フォニイ(自分の生命を20使って生命20の身代わりを出す)

ベノム(毒2d3を任意の対象に付与)青い弥上

[どんよりとした心]


▶空 通常攻撃[小手打ち、砂錫、細流、鉱滓]

 失敗

[毒]計9ダメージ


▶幣原 ラフルル[精霊の加護]

夢想妙珠[恋の御札、封魔の御札]

 142ダメージ

[毒]計34ダメージ

[ホラーやってるときに脅かしてくるセンパイ(攻撃を受けた時、1回だけ反射する)]

 142ダメージ

[幣原:回避珠]

[自爆するしかねえ!(死亡時、自分を起点に5m範囲全体に生命魔法8d8)]

 29ダメージ

[みあ:薄い本][幣原:薄い本2個][凛:桔梗館のとある夜]

[携行食:回復薬G2]

[概念の不着(全体ターン終了時に復活する)]


空「とても嫌な気分ですね」

幣原「体が蝕まれる感覚が……。とにかくいつものように……!」

南雲「毒!毒!毒!我々の数少ない得意分野で争って欲しくはないのだがな!」


幣原「反射……避けた……! えっ自爆……?!」

凛「いきなり火の玉、そして自爆……これが炎上ってやつなのかなぁ、あちち……」

南雲「とっととトドメを刺したいところだが……残すのはどちらだ!?」

みあ「この子たちも生まれる前から大変だねえ。それとも今が生まれたてほやほや?」


▶南雲 通常攻撃

 通常攻撃

 成功 5ダメージ

 成功 10ダメージ

[毒]計18ダメージ

[センパイの彼氏のノロケ(自分の累計で受けたダメージと対象の累計で受けたダメージを交換する)]

 29ダメージまで回復 71ダメージ

[南雲:林檎の板3個、中京間畳]


▶みあ キュア みあ羽生

[サンカイメヒメカ:キュア[リストーロ]]凛南雲空幣原


▶凛 セージ ヒール[リストーロ、シズフラット、レタブリスマン][神籟]凛空

 62回復

[サンカイメヒメカ:ヒール[リストーロ]]幣原羽生

 7回復

[デバイスディバイダー:魔神剣[小手打ち、砂錫、細流、鉱滓]]

 成功 16ダメージ

[弧月斬[小手打ち、砂錫、細流、鉱滓]]18ダメージ


▶タイムカード セージ ヒール[リストーロ]みあ南雲

 17回復

 

南雲「クソッ……我々の格ではこの程度か……」

空「ありがとうございます姉様、――そこです!『地衝斬』」


[澪和の友軍攻撃]

 28ダメージ

▶羽生 キスメ[ラズルシャーチ]

 31ダメージ

[概念の不着]

▶羽生は残った緑の弥上海夕にマスターボールを投げるよ


羽生「ふらふらする……。もう帰ろう……」

凛「ちょっとは活躍できたかな……?」

幣原「これでお仕事完了、かな」

空「そうですね、月奈様がお待ちです」

みあ「さーてかーえろ」

南雲「相性の問題もあるが、我々の存在格が低いせいで足を引っ張ってしまっているな……。由々しき事態だ」


――月奈の研究所――


月奈「で、どの子選んだの?まあどの子でもキモオタだなって思うだけど」


南雲「緑の子かな……」


月奈「いや別に興味ないかな」


空「それで、具体的にこの子はどのように利用されるのですか?」


椊田「焦るな。まだその精霊は捕縛されただけでお前達の味方ですらない」

月奈「契約してあげないとね。人間であると保証するみたいなものかな」

椊田「……精霊と契約の方法を教えるぞ。『自然の姿を我の前に示せ。盟約のもと、我に従い給え。俺を主としよ』だ。俺のところは自分だとわかれば何でもいい。十寸鏡、復唱」


澪和「あっはい……。『自然の姿を我の前に示せ。盟約のもと、我に従い給え。わたしを主としよ』……!」


月奈「我が名はクラース……」


▶呟いても何も起きませんでしたが、澪和の身体の周りが緑に光ったかと思うと、マリンワンピースの少女が目の前に跪いています


弥上「コンゴトモヨロシク……」


澪和「よ、よろしく……!」

幣原「かわいい……」


月奈「ま、こういうことよ。精霊をうまいことうまいこと使いこなせば人材難もちょっとは回収できるでしょ。冬泉の人材に紅葉がだいぶ唾を付けたって知った皐月の顔が楽しみだわ」


みあ「どんどん人が増えてきて、楽しくなってきたねえ」

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