S2.1 人に紛れた非人の撃退 10月10日
――郷宮市 宮文大:ギルド――
シノブ「こんばんは。こんな夜更けに依頼でも受けるんですか?」
澪和「いやその、凛ちゃん達に会いに来たんです。やっぱり一緒にお仕事するからには、仲良くなりたいなって」
みあ「そんな感じー。今いる?」
シノブ「そうですね。そのへんをうろついているとは思うので、呼び出せばいると思いますよ。外出はあの子達のご主人さまの意向であまり認められていませんし」
シノブ「対外的には依頼を受けたほうがよろしいでしょうし、簡単目なやつに切り替えておきますね」
▶ボードが淡く光ったと思うと、貼り出される紙が変わります
人に紛れた非人の撃退
神影未来
最近、郷宮市で人間以外が紛れ込んでいる。
人間に友好的かどうかは現状不明だが、人間証明書を持っていない為郷宮では撃退の対象となる。
話が通じるなら人間証明書の発行の手伝い、通じないなら殲滅を行ってほしい。
詳細は私のところへ。
羽生「今日の依頼は……これ、妖怪とか関係あったりする?」
シノブ「ありありですねえ。大体は妖怪でしょうし」
羽生「……いいね。これにしよう」
澪和「どんな依頼……ってまたこういうやつですかぁ」
みあ「この間のも似たような感じだったけど、書き方全然違うね」
シノブ「話が通じる可能性のある分、平和主義の方向けですね。問答無用で殲滅する人に受けてもらわなくてこちらとしても助かります」
――郷宮市 宮文大:研究室――
深角「いいか。アンドロイドというものは人間の役に立ち、人間の為に死ぬのが種族命題だ。間違っても人間を差し置いて生き残ろうなどと考えるなよ。種族としてさっさと朽ちたほうがお互いのためなのだ」
空「ええ、命あるものを優先すべきだと思います、この体の生命エネルギーが残っている限り」
凛「寝間着にもかわいさポイント忘れずにー」
深角「トラブルを起こさない為にも、これだけはゆめゆめ忘れるな」
澪和「こんばんは……。お取り込み中ですか?」
みあ「こんばんはー、お友達でーす」
空「いえ、いつもの朝礼みたいなものです。御用でしょうか?」
凛「あれ、みあさんと澪和さんと……この前の人だー。こんばんはー」
深角「見せてみろ。…………ふむ。今話題の非人か。本当に問題があるならシノブが渡さないか」
みあ「みあたち的には別に何しに来たわけでもないけどね。シノブさんがこれやれって」
深角「行って来い。神影がちゃんと管理するだろう。お前達、人間をお守りしろ」
凛「えー、こんな時間におしごとー?みあさんたちもちゃんと寝なきゃダメだよー?ついてくけどー」
空「現状問題が無い程度の問題ということでしょうか、わかりました。生命ある限り、お守りいたします人間様」
羽生「話は終わったかな?行くよ」
みあ「やりづらいなあー」
――郷宮市 郷宮市部紅葉:奥の部屋――
神影「よく来たわね。若い子にやらせるような依頼でもないんだけど、受けちゃったものは仕方ないか」
神影「手短に説明するよ。最近、南東地域で散発的に悪鬼が出現してるのよ。強さ自体は正味大した事ないんだけど、中身が必ずギリギリッスっていうやつなのよ」
神影「ギリギリッス知ってる?――今の子だし知らないよね……」
澪和「知らないです」
みあ「ギリギリな感じ~」
羽生「……古い」
空「それは、どういったものなのでしょうか?昆虫に似たような名前があるとは思いますが」
神影「まあ、古いよねえ……。中身はともかく、出現原因が恐らく蜘蛛にまつわる妖怪が関わってると思うのよ。で、こいつを見つけ出して害がないなら引き入れ、あるなら殺してきてほしいってところね」
神影「万が一、紅花様にギリギリッスとかさせられないから。もうほんと。少しでも害あるなら殺していいよ」
澪和「えぇ……」
凛「昔のものなんだー。くも……?毒とかないといいなぁ」
空「蜘蛛は基本的には益虫と聞きますが、毒があるなら仕方ありませんね」
神影「これは全然別の話なんだけど、郷宮市の南東は治安がとっても悪いから。君たちみたいな若い子を深夜に出歩かせていい場所じゃないのよ本当は。悪鬼とか関係なくクソナンパカスがいるから、ちゃんと固まって歩いてね」
みあ「みあもそっちにはあんまり行かないかなあ」
澪和「お母さんも言ってました」
羽生「いいよ。どうせ触ることもできないチンピラばっかりなんだから。――みんなはどうか知らないけど」
凛「やだなぁ……」
神影「朝になってもこっちに来なかったら、死亡届出して援軍を出すからね」
みあ「確認する前から死んだことにされちゃうんだね」
神影「死体も残らない時あるしね。こういう仕事だから」
――郷宮市 南東地域――
▶南東地域に足を踏み入れると、風俗のキャッチや立ち飲み居酒屋、ボロボロのアパートが立ち並び始め怒号や嬌声などが薄く聞こえ始めます。その中に、小さく青色の悪鬼が所々に出る家があるのを見つけます
澪和「怒鳴り声、好きじゃない……」
凛「うわさにたがわぬちあんのわるさ……」
空「随分小さいですね。所々にあって、元凶を絶たねば面倒な作業になりそうです」
みあ「こう、全部バーンとまとめられたらいいのにね」
澪和「すみませーん。誰かいますか?」
凛「澪和さんゆうきあるねー」
▶扉の戸をトントンと叩きます
南雲「ふわぁ……はーい、南雲駆除サービスでーす……。どちら様でしょーか?駆除の依頼なら会社のホームページへお願いしまーす……」
空「姉様、訪問に伺った相手に顔も出さずに追い返そうなど。まっとうな人間ではありませんよ」
澪和「この人かな?えーっっと……、『日本語が通じるなら今すぐ投降しろ。さもなくば今すぐ名誉尊厳を破壊して何も残らないと思え』ー」
羽生「入らせてもらいたいんだけど、ここ、開けてもらえる?」
▶扉のノブをガチャガチャと鳴らします
南雲「ちょっ……な、なんですかぁー!?ウチは真っ当な駆除業者なんですけどー!?」
澪和「話、通じそうですね」
みあ「ぽぽぽ以外も喋れるだけでなんだかありがたいねえ」
空「では連行いたしましょうか」
凛「うーん、ちあんのわるさに加担してるようにみえる……。早いとこ話つけよー」
澪和「でも投降はしてくれないみたいです。鍵かかってるし……なんとかして入れない?」
羽生「壊すか、窓からか、バルサンでも焚けばいいんじゃない」
みあ「過激派だねー。ちょっと話聞きたいんだけど、開けてくれませんかー。キリギリス?ギリギリス?っていうののことなんですけど」
南雲「だから!どちら様で!何のようですか!?警察呼びますよ!?」
空「それでは3つ数えましょう、3つ数えるまでに扉が開かなければ少しリフォームしましょう」
みあ「過激派しかいないのね……、みあちゃん怖いわ……」
▶中からドタドタと足音がして、ボサボサ頭のパジャマ少女がドアを開け警戒して顔を出します
空「あら、話が通じるどころか、とても協力的でいい方ではありませんか」
澪和「ところで、お家の近くに見える空間に心当たりとかあったりしませんか?深夜ですし、宗教とかではないんですけど……」
南雲「……まさか貴方達冬泉?私は何もしてないからね?何ならずっと昔からニンゲンの為に働いてきた穏健派だよ?コレもちょっと一時的なモノだし私がちょくちょく駆除してるから今の所問題無いからね?」
澪和「大当たりだね。人間証明書ってのを発行してないですよね?それを発行してもらわないと、殲滅しないといけないらしいんです」
みあ「というかこんなにいっぱいあって、ほんとに何も問題起こってないの?」
南雲「えぇー!?全く、ニンゲン達はすぐそうやって私達の知らない間に変な制度を……。他はともかく、私達がどれだけ大人しく暮らしてることか……」
みあ「まああの人達勝手っぽいしねえー」
凛「たいへんだねぇ……」
空「穏健派のあなたなら、ご同行願えますよね?」
南雲「……まあちょっと待っててね。ほら、流石にこの格好はマズいでしょ?」
空「それでは3つ数えます」
南雲「ほら!私まだパジャマだから!通報されたくないでしょ!?」
凛「かわいさ指数0だねー」
空「姉様と同行するのですから最低限の身だしなみはお願いしますね」
澪和「待って待って。同行してもらうのはいいんだけど、先にこの小さいやつ無くしておかないと」
澪和「その後で、ついてきてもらってもいいですか?出来れば悪鬼の消滅も手伝ってほしいんですけど」
南雲「はぁ……。全く、冬泉の過激派で無くて助かったというべきか……少し待っててね、今着替えて書き置きしてくるから」
▶なんかババ臭いけどおしゃれして戻ってきますね
南雲「お待たせ!――あ、とりあえず自己紹介するね。私は南雲花束。見ての通り11歳だよ!11歳!」
凛「おー。りんとくーちゃんほどじゃないけど……わるくはないコーデだねー」
空「そうですね、悪くない。よろしくお願いしますね。空です」
澪和「ところで、あそこの青いやつ……悪鬼なんですけど知ってますか?」
羽生「これ、潰すの。――全部だけど、できる?」
南雲「へー、悪鬼って言うんだ、アレ。最近湧き出したからたまーに入って消したりしてたけど……」
澪和「手伝ってください!!!手伝わないと、乱暴されたって鹿狩瀬さんに言います!!!」
南雲「誰に?……まあ、手伝うのはいいけどちゃんと上の人には報告してね?私もこんなところで末代にされたくないからね」
みあ「あーあ、一気にまとめられたらなあ」
凛「まとめられたらまとめられたで危険度あがったりするんじゃない?」
みあ 「それはそれでやーねえ」
南雲「細かいのは入ると纏まるっぽいんだよね。――この辺で何かあったのかな、こんなの湧いたのひ……初めてだし」
みあ「え」
空「皆さん、入る前の準備だけしておいてくださいね」
澪和「私達をお助けください……」
南雲「……ところで、それ何してるの?入る前の準備って言ってたけど」
凛「あーそういえば。えっとね……なにか思い入れのあるものとかもってる?」
みあ「思い出深いものおいておくとかんたんに帰ってこれるんだって。便利だよ」
南雲 「えぇー……。毎回私死にかけながら出てきたのに今の時代はそんな便利な……」
澪和「お祈りって大事だなあって思ったよ」
南雲「まあ、次回からは用意するとして……行きますか」
――森――
▶なんの変哲もない森に見えます。ですが、長い筒を持った背中に赤い模様のある蜘蛛が2匹いるのが見えますね
南雲「懐か……初めてみるなーなんだろうなー」
空「ちらっと話に出てましたが、蜘蛛ですね。益虫でしょうか?」
羽生「背中が赤いセアカゴケグモってよく聞くけど、毒持ち……」
澪和「毒、かあ……」
みあ「まあ見るからに危なそうな色だよねー」
凛「どうせなら毒とか効かない体にしてくれればよかったのになぁ」
南雲「蜘蛛は益虫だよ、少なくとも……我々はね!」
▶南雲の下半身が膨れ上がり、スカートの下から人間サイズの蜘蛛の身体が飛び出してきます
南雲「さて、我々の名を汚す害虫を駆除しようか」
澪和「ひゃっ!?」
羽生「その話、またあとで聞かせてね」
空「これは驚きました、中途半端に大きいですね」
凛「わわっ、ほんとに蜘蛛だったんだー。……継ぎ目どうなってるの?」
南雲「こら、スカートを捲ろうとするんじゃない!敵の方を見ていろ!」
凛「えー、みせてよー……。てかちょっと性格かわった?」
南雲「むしろ、これが我々の本来の姿なのだよ」
空「敵になる前に見つけてよかったです」
南雲「我々南雲一族はニンゲンを襲った事が一度も無いのが誇りでね……。まあ、その代わりに多く狩られはしたが……」
空「見た目に嫌悪感のある人間は居るでしょうしね。では戦ってください、人間のために」
▶戦闘前行動 みあ サンカイメヒメカ
▶戦闘前行動 凛 サンカイメヒメカ 聖なる光
▶空 毒知識で判定
通常攻撃[小手打ち]
盾殴り[小手打ち]
失敗
失敗
失敗
▶南雲 毒知識で判定
毒付与[キャノン]南雲空
失敗
ファンブル[行動スキップ]
▶みあ 薬学で判定 通常攻撃
成功[人間振り直し]2ダメージ
空「当てにくいですね。人型ではないからでしょうか」
南雲「うわわっ!?」
▶藪に蜘蛛の脚がハマってバランスを崩します
みあ「これ攻撃したら変な液出てきたりしない?えいっえいっ」
▶セアカゴケツツグモA
飛び跳ねる(補助。必ず発動する。ワープ移動で1マスか2マス必ず移動する)
羽交い締め激臭ブレス(補助。魔法。同じマスの対象1人に2d3。毒2d2)羽生
4ダメージ
▶セアカゴケツツグモB
飛び跳ねる
汚臭キス(補助。魔法。1ターン魔法禁止。3d3)凛
7ダメージ
羽生「ぃった……」
凛「うげげげー!かわいくないー!やーだー!うわーん!」
▶凛 電子工学で判定
失敗
▶羽生 妖怪知識で判定 キスメ
成功
21ダメージ
[毒]計7ダメージ
羽生「目の数が南雲さんと違うのね……興味深い……」
南雲「正直、こんなのと我々を一緒にして欲しくはないのだが……」
▶空 通常攻撃[小手打ち]
盾殴り[小手打ち]
失敗
成功 15ダメージ
▶南雲 麻痺付与[キャノン]南雲空
成功 1ダメージ[追撃]計2ダメージ
成功 2ダメージ[追撃]計4ダメージ
▶みあ キュア 羽生
[ネフィリムスクライブ]17ダメージ
空「姉様に触れないで」
南雲「さて、最初はみっともないところを見せてしまったけれど……毒比べと行こうか!」
▶セアカゴケツツグモA
飛び跳ねる
羽交い締め激臭ブレス(付与されてる毒がある場合、1個追加する)みあ
6ダメージ
[毒]計52ダメージ
▶セアカゴケツツグモB
飛び跳ねる
羽交い締め激臭ブレス 羽生
5ダメージ
みあ「うわうわうわきもいきもいーーー。しかも痛い!!」
澪和「あわわわ……」
南雲「おや、あっという間だったか。さあ、後一匹だよ」
▶凛 キュア みあ
[サンカイメヒメカ:ヒール]南雲羽生
18回復
▶羽生 キスメ
14ダメージ
[毒]3ダメージ
凛「ううー……さいあくー……」
羽生「脚の数はやっぱり変わらないんだね」
▶空
通常攻撃[小手打ち]
盾殴り[小手打ち]
成功 5ダメージ
成功 18ダメージ
▶2匹目の蜘蛛がバッシュで動かなくなると、ゆっくりと空間が崩れ落ちていきます
空「蜘蛛は益虫でも汚物は害虫です。処理します」
凛「うえーん……くーちゃぁん……。なぐさめてー……」
空「なんと可哀そうな姉様。早く帰ってお風呂に入りましょう」
南雲「お見事!……さて、無事に抜け出せるように祈っておいて貰おうか」
みあ「あーきもかった。――あ、あなたじゃないよ」
澪和「虫はちょっと……」
羽生「この脚持って帰ろうかな……」
――郷宮市 宮文大:ギルド――
シノブ「お疲れ様でした。紅葉からも報告が上がっています。――そちらが件のお騒がせものですね?書類を渡しますので、こちらにご記名をお願いします。識字はできますか?」
南雲「はい、問題ないです。……これでも長年、この地域で暮らしていたので今更こんな連絡されるとは思っても無かったですけどね」
シノブ「では、彼女達と同じ、第88小隊に加入させておきます」
シノブ「最近はコロナで山賊と変わらない妖怪もどきが増えましたから。世を騒がせたいとかではなく、円滑に業務を勧めるためなんですよ」
シノブ「殺していいものはわかりやすいほうがいいですからね」
凛「こわいなぁ」
みあ「こわいねえ。澪和ちゃんはあんなふうになっちゃダメだからね」
澪和「治安維持って大変なんだなあ」
羽生「やっぱり毒があるのは噛みついてきた牙の方なんだね。脚は何も変わらない……」
空「よくそんなものを持ち帰りましたね。――丁寧に取り扱ってくださいよ」
シノブ「こちらで換金しますよ」
羽生「ねぇ南雲さん?あの子たちのこと知ってるみたいだったけど、あなたやあいつらの生活とか、知ってたら教えてくれない?――後、これは食べれるのかな?」
凛「わ、きゅうに元気?になったね」
南雲「アレはアレ、私達は私達。後、それは好んで食べたくはないかな……」
羽生「食べれないことはない程度なら食べなくてもいっか……。シノブさん、これあげる」
シノブ「はい。確かに」
空「毒がある方の牙があるかもしれませんものね。それでは私たちはこれで失礼します」
羽生「生活とか文化について、あとで教えてよね」
南雲「私のことが知りたいなら……そうだね、キスでもしてみる?多分全力でやれば文字通り痺れるキスが体験できるかもよ?」
シノブ「はいはい。もうすぐ日付も変わるからここも閉店ガラガラですよ。換金したべルは家の自室の壁の袋小路に落ちてますから、忘れずに拾って枕の下においてくださいね」
シノブ「また、依頼を定期的にこなしに来てくださいね」
南雲「ふわぁ……そうだね。お肌に良くないし私はここらでドロンするよ」
羽生「ここで動けなくなるわけにはいかないな……。また今度ね」
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