第7話 その七 度胸星 山田芳裕 小学館
タイトルを見た時点で、うわ、この執筆者性格悪! そう思った皆さん、ありがとうございます。
ええ、今回は名作紹介と言うよりは、名作になりえたはずの作品を紹介いたしますので。
作者はデカスロンやへうげものの山田芳裕先生。デカスロンと言えば極端なパースで有名なマンガ作品。世にも珍しい十種競技を題材にしたマンガでした。
爆発的な人気こそ得なかったものの、その他に誰も描けない絵の迫力で名を高めた山田先生が、次に連載したのがこの作品。
主人公は宇宙飛行士を目指す青年。同時期に宇宙兄弟が存在したのも少し運が悪かったかもしれません。
普段はトラックの運転手の主人公。しかし努力によって宇宙飛行士を目指し、ついにはその一員に選ばれます。
それとは別に、既に火星に到着している宇宙飛行士たちは、謎の存在テセラックと接触し、全滅します。
主人公の成長と、謎の存在テセラック。特に主人公の受ける試験は、宇宙兄弟と比べても面白い。
特に絵の迫力は、あちらが緻密なのに対してこちらは大胆。荒ぶる力が線にあります。
テセラックに第二陣が接触し、ロシアから宇宙へと主人公が出発。さあこれから物語の謎解きだ! …というところで完結。
俺たちの戦いはこれからだ! の典型的な作品です…。
これ、実はヤングサンデーの休刊によって打ち切られた作品の一つなのですよね。
以降作者様はモーニングでこれまた異質の作品へうげものを連載するので、消えた作家にならなくて良かったとは思うのですが…。
度胸星、他の雑誌に移行出来たはずなのですよ。鉄腕バーディーとかもそうですし。
ただ雑誌の色を考えた場合、度胸星は合わなかったということなのでしょう。
しかし小学館の姿勢を見ると、どうも作者と作品を大切に扱っていない印象があります。
もちろんあだち、高橋の御大は例外ですし、アオイホノオで描写される範囲では、そんなこともないのですがね。
重版出来では雑誌の潰れることの怖さを物語ってくれましたので、仕方がないのかとも思えなくはないのです。
しかしガッシュの作者の件といい、どうも小学館の編集は脇が甘い人が多いと感じてしまいます。
いや本当に、小学館のマンガもたくさん買ってるんで、私の邪推なんでしょうがね。
度胸星…へうげもの終わったら再開しないかなあ…。
と思ってたら望郷太郎。けっこう面白いので悔しい。
ハロルド作石さんの七人のシェイクスピアも間を置いて再開したし、可能性がゼロとは思わないんですけど、もう時間が空きすぎてますし。あの作品とは違って現代が舞台ですしね。てか、シェイクスピアも最近(2020年10月)全然載ってないじゃないか!
山田先生の作風は本当に、他の漫画化には真似できないものだと思うので、残念なのですが。
というわけで、今回は愚痴になってしまいました。
次回はメジャーどころを持って来たいと思います!
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