概要
過去の恋愛でズタズタに傷付いた、臆病なふたりが始める、手探りの交換日記
あたしはミカ。二十三歳。短大を卒業して大手商社に就職し、順風満帆だった。「可愛い」で、人生の道を踏み外すまでは。
課長は仕事中いつも眉間に縦じわを刻んでいたけれど、ひとり残業でため息をついていたあの日、不意に缶コーヒーをうなじに当てられた。冷たさに思わず声を上げると、面白そうに課長は笑う。「可愛い」。そう思った。
そのあとふたりで食事に行って、距離はすぐに縮まった。人生で一番の恋をしている。そう自覚してからだった。課長に奥さんが居るのを知ったのは。
* * *
俺はコウタ。あと半月で三十になる。彼女居ない歴は五年。こんな俺でも婚約していたことはあったけど、その彼女と別れてから五年になる。
彼女とは、高校からの付き合いだった。だから、八年間付き合ったことになる
課長は仕事中いつも眉間に縦じわを刻んでいたけれど、ひとり残業でため息をついていたあの日、不意に缶コーヒーをうなじに当てられた。冷たさに思わず声を上げると、面白そうに課長は笑う。「可愛い」。そう思った。
そのあとふたりで食事に行って、距離はすぐに縮まった。人生で一番の恋をしている。そう自覚してからだった。課長に奥さんが居るのを知ったのは。
* * *
俺はコウタ。あと半月で三十になる。彼女居ない歴は五年。こんな俺でも婚約していたことはあったけど、その彼女と別れてから五年になる。
彼女とは、高校からの付き合いだった。だから、八年間付き合ったことになる
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?