俺(20)

9月15日


 若いって言ってくれて、ありがとう。何も出ないけど。


 それこそ年配のひとに怒られるかもしれないけど、俺はもう余生を過ごしている気分だったんだ。でもミカさんに毎日声をかけて貰っている内に、まだ人生捨てたもんじゃないなって思った。


 今は、このノートに何て返事が来るか、ワクワクして過ごしてる。本当にありがとう。



 失恋かあ。俺も元カノにフラれたようなもんだから、少しだけ辛さが分かるよ。人間関係を絶ってまで忘れたい恋なんだから、大恋愛だったんだろうね。時間が解決すると思うから、けして早まらないで。俺で良かったら、何でも聞くから。


 お互い初めての友達っていうのが、気が合うね。こちらこそ、よろしく。


 そうだ。俺今日、誕生日なんです。30歳の。三十路記念に、ランチでも一緒にどうですか。


 ミカさんの未来の彼氏も、ランチならヤキモチを妬かないと思うんです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る