三人称カメラ視点
次は三人称カメラ視点です。
三人称カメラ視点(全体視点)とは、全体をカメラが撮影しているかのように地の文を書く方法です。カメラマンが様子を撮影して、ずっとナレーターがその様子を話していく、といった感じでしょうか。
【幅広い視点での描写が可能】
カメラ視点は特定の人物を追うのではなく、幅広い視点から物事を描くことが可能です。
ですので、一人称視点や三人称一人視点では描けないようなところの描写や、同じ場面で様々な角度からの視点での様子を描くことも容易にできます。
【心理描写ができない】
かなり広い範囲で描写ができる一方、登場人物の心理描写をすることはできません。上述の通り、カメラマンが撮影してナレーターが一方的に話す感じになるため、誰かの気持ちを述べる、といったことは出来ないわけです。心理描写をするとしても、主観的に「~だろう」という形になるでしょう。
【登場人物の気持ちが分からない方が都合がいい小説向け】
以上の特徴から、登場人物が考えていることが分からない方が都合がいい小説に向いているといえるでしょう。例えば推理小説はこの例に当てはまります。探偵が考えていることが全部描写されていたら、読者が推理することが無くなってしまいますからね。
基本的に事実を淡々と書くようなもの、歴史物なども向いているでしょう。
カメラ視点で書いていても、いつの間にか登場人物の心理描写をしてしまうことがあるかもしれません。その場合は三人称一人視点で書くようにしましょう。
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