情報過多の情報不足
小説を書く際、いろんな情報を入れたくなることは無いでしょうか。
実際、ネット小説ではそういう作品をたくさん見ます。
よくあるのが、主人公の行動を書く際、朝起きてから本当に書きたい場面になるところまでの行動を、丁寧に書いてしまうことです。
必要性があればそういったところも書いた方がいいでしょうが、多くの場合、必要ないのに書いてしまっています。
何か一つの話を書く際、丁寧に書こうとしてしまい、不必要なことまで書いてしまうことは良くあります。先ほどの例にもある通り、人物の動きを関係ないところから書き始めたり、今必要ない説明をずらずらと書いてしまったりといったことです。
一方で、自分が状況をわかっているせいで、読者にもその知識を求めてしまい、必要な情報が抜けてしまうこともあります。
このように、「どうでもいい情報をたくさん書いているが、本当に必要な情報が抜けている」という状況を、私は「情報過多の情報不足」と呼んでいます。
好きなように文章を書くと、どうしても自分が書きたいことばかりを書いてしまいます。その結果、必要以上にどうでもいいことを詳しく書きがちになります。そうなると、読者は「こんなに長く説明してるけど、今やることなの?」と思ってしまいます。
逆に、自分は頭の中で構成や登場人物の性格、現在の状況などを把握しているので、それを前提に話を進めやすくなります。しかし、読者からすると何故そうなっているのかわからない、という状況が生まれやすくなります。
書いている時はそういう状態になりやすいため、書き終わったら一度文章を寝かし、別の日に読んでみるという方法もあります。こうすることで、自分の書いた文章を客観的に読むことができます。
この方法は有名な作家たちもやっていて、長いときは数カ月置く人もいるそうです。
小説を書きなれている人は、書いている時は面白かったのに、後から読んだらいろいろ違和感があったり、わかりづらいと感じたことがあると思います。
そう思った時に、文章を削ったり追加したりすれば、より他の人にもわかりやすい文章になるでしょう。
情報不足の情報過多というのは、投稿しやすいネット小説、一度書いたら見直さないという状態になりやすいゆえに起こりがちなことです。
小説が完成したら、数日置いた後に読み返してみましょう。他人の目で自分の文章を評価することができます。
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