長編小説の特徴

 小説を書きたい人の最終目標は、恐らく多くの人が本1冊程度の分量はある長編を書くことだと思います。小説を書きたいと思うきっかけはいろいろあると思いますが、やはり何らかの物語に触れたことで、自分の考えたストーリーを文字にしたいと考える人が多いのではないでしょうか。そして、その多くは長編小説だと思います。


 当然ですが、長編は短編や掌編よりも多くの文字数を使えます。つまり、たくさんの情報を入れることができるわけです。

・登場人物を詳しく書いたり、背景ストーリーを書いたりすることができる。

・多くの場所を舞台にすることができる

・細かな描写や状況を書くことができる

 字数制限があると、情報の取捨選択が必要となります。この点、字数が多く割ける長編は、そこまで深く考える必要はないと言っていいでしょう。

 大変なのは、きちんと終わらせることです。ネット上では、完結させずに更新もされないままになっている(俗に言う「エタる」状態)作品がいくつもあります。それだけ、長編を書き続けるというのは難しいことです。

 ただ、長編、といっても、大体は短編の集まりでしかありません。長い話と言っても、エピソードごとに区切りはあるでしょうし、そのエピソードの中でも、いくつかの区切りがあるでしょう。つまり、長編は「きちんと終わらせる」の繰り返しなのです。

 もう一つ、字数制限を気にしないあまり、だらだらと書いてしまうことが挙げられるでしょう。端的に表現できるのに回りくどい言い方をしたり、書きたいエピソードの前置きが長すぎたり、説明が多すぎたり……経験無いでしょうか。

 また、きちんとキャラクターやストーリー内容を管理しておかないと、キャラクターの性格や特徴に矛盾が生じたり、ストーリーが変になったりします。短編ではそうそうないことが、長編では考えなければならない部分になるのです。


 長編を最後まで書き続けるコツは、「ゴールを決めておくこと」です。つまり、結末を決めておけば、それに向けていろんなエピソードを考えていくことができます。

 逆に、ゴールを決めずにコンセプトだけは決めて、いつでも終わらせられるようにする、という方法もあります。

 どちらの方法でも、書き続けることがポイントです。


 競技で表すなら、短編は短距離走、長編はマラソンです。どちらも面白さがあり、難しさもあります。

 どちらにもチャレンジしてみて、自分に合う方を選ぶと良いでしょう。

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