まずは最後まで書き終わろう

「小説を書く上で一番大切なことを1つだけ挙げよ」と言われた場合、皆さんはどう答えるでしょうか。

 私は迷わず「最後まで書き終わること」を挙げます。


 実はネット小説(原稿用紙に書く小説でもよいですが)で一番難しいのが、「最後まで書き終わること」です。

 投稿サイトの長編小説を読んでみると、続きが更新されない小説がいくつも見られます。長編小説を書いた人は分かると思いますが、途中で書きたくなくなる時があるのです。


・他の小説のアイデアが出てきて、そちらを書きたくなった

・続きが思いつかなくなった

・自分の小説がおもしろいと思えなくなった

・仕事や勉強が忙しくて続けられなくなった

・何かとモチベーションが上がらない


 いろいろと理由があると思います。とにかく、書き終われずに挫折したり、別の話を書いたりする人は結構多いです。

 しかし、何でもそうですが完成したものでないと、価値を図ることができません。楽しみにしている人を裏切ることにもなります。


 そこで、最初は分厚いハードカバーの大長編のような話を考えずに、短編や掌編(ショートショート)から始めてみましょう。「物語を最初から最後まで書く」というクセを付けるためです。

 短編と長編、どちらが優れているとかどちらが簡単とか、そういうことはありません。短編には短編の難しさ、長編には長編の難しさがあります。

 しかし、「きちんと終わらせる」ためには、やはり短編に慣れた方が良いと思います。というのも、長編も多くはエピソード単位では短編になっていることが多いからです。

 少ない文字数で終わらせるためには、きちんとした構成、終わらせ方を考える必要があります。これは長編でも同じですので、まずは短編から始めてみてください。

 最初の目的は、きちんとした話を作ったり、おもしろい話を作ったり、きれいな文章を書いたりすることではありません。まずは「終わらせる」ことを目標としてみてください。


 一つの話をきちんと完成させる。それだけで、物書きとしては立派だと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る