きっと俺らの青春陽キャ生活

真田そう@異世界もの執筆中

第一章 俺の青春陽キャリア充生活

プロローグ 俺は死にたいと嘆く

 どうも、俺はこのつまらない世界で陽キャをやっている者だ。

 陽キャというものがそもそも何かという問題があるが、そこを説明すると主観の問題が入ってきたりするのでご勘弁願う。

 世間一般論で言うところの、リア充、あるいはウェイの者とか、もしくはその周りに蔓延っているよく分からないぼんやりとしたものが陽キャであろう。


 クラスの片隅で顔を近距離に突き合わせながら話している彼ら陰キャにも彼らならではの悩みがあるのであろうが、こちらとてそれは変わらない。

 チャットアプリを開き、友達募集リレーというものを覗いてみればそこには病んだだの死にそうだなどと書き連ねられ、コメントには勝手に死んどけ、あるいは死ねばなどという罵詈雑言の跋扈する無法地帯。


 そんな場所を見ていつも思う。

 てめえら子供か。いやまあ確かに子供だな。

 まあとにかく俺が言いたいのはそういうことではないのだ。もっとこう、分かりやすく言うと。


 俺はいつも陽キャとしてカーストの中で必死に生きていて。人間関係の中で優位に立つために自分を偽って。気が狂いそうになるほどの長い時間をかけて人望を集めてきたというのに。


 別にそれが無駄になったわけじゃないけれど。

 つまり俺が言いたいことを更に更にはっきり、分かりやすく、簡潔に言い表すと。

 すううううううううううううううううう、と息を吸い込んだ。



「俺だって死にてえわああああああああああああ!」



 あ、言っちゃった。大声でクラスの中心で叫んじゃった。クラスにいる全員どころか、何なら廊下にいる人まで俺をガン見してきている。

 じーーーーーーーーーーーーーーー。

 数秒の沈黙があって、その間世界が止まったかのように誰も動こうとしない。

 ああ、どうやら。


——————これは大変なことになりそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る