第34話 ざわめき
いつもとは違う顔ぶれの一団が
お茶を
おにぎりを
パンを
コーヒーを
ビタミンを
買う
急いでいるような
急いでもいないような
人々が
店内を何周もしたり
しなかったり
駅の窓から見える人の流れは
やはりいつもとは違っていて
一体それが何を意味するのか
私は知らないし同僚もそれを
知らないというけれど
女性らの会話の中に
人身事故があったんだよ、という
言葉を拾い
ああ
そうなのかと
納得したのだけど
何がどう納得したので気が晴れたのか
ちょっと
自分でもよく分からなくて
春だから
四月だから
こんな時期だから
こんな時代だから
だから
電車に惹かれてしまうのだろうって
そんな納得の仕方あるのかな
という
そんなことを
田舎から都会に出てきて
繰り返しているのです
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