第16話 霧の向こうに何がある

セピアの向こう、すりガラスでぼやける赤い屋根

尖塔が三つ、四つ・・・緑の翼竜がくねくねと器用に通行する

寄宿生は眠る時間、星の予告。「明日もまた尋ねます」

煙が目に沁みて、冷気に手が震える

窓を閉め、暖め直す部屋の中

イメージに心を託す。

目に見えるものを手放してはいけない、なぜなら

心には羽が付いているから

どんどん遠くへ飛んで行く、気の向くままに

そうやって飛んで行く先を、見る事を恐れる

だから羽を仕舞って、足で歩かなくてはいけないんだ

脚を使って、歩かなくてはいけないんだ

青い鳥が私の頭を突いた。「なぜ飛ばない」と言って、怒った。

その鳥は、きっと渡り鳥だ

心のふるさとが私を呼ぶ

私の心も、ふるさとを求める

いつかきっと、相まみえるのだろう

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