第10話 黒いキャンバス

いつか見た十六夜


棄てられた音を聴きながら

今日も星は一つしか見えない

小さな夢を捉えるために

小さな秘密を一つ手放す

全ては心の中の出来事、だけど

そこから始まる予感に燃えて

冷たい風に身を乗り出す

まだ醒めない夢

月を切り裂いたら

オレンジに染まりそう

灰色の服に

点々とした塗料染み付く

願わくば、幻想の地平の向こうに

ダイブでは無くドライブ

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