第45話 君に歌う

君がさみしい事は知っていたよ

社会のはみ出し者だから

薄暗い秘密を抱えてずっと

生きてきたんだろうね


理解されたくて自分語り

ますます人は遠ざかる

気が付けばまた一人になって

そして新たな神を求め

天を仰ぐ


この世にいるのは人間だけだよ

人間同士なぐさめあうだけ

傷舐め合うのは傷ついた者同士

同じ痛みを赦し合う


それでいいんじゃないの

それしかないんじゃないの

ほかにどうしようもないんじゃないの

しかたないんじゃないの


一つ言い忘れた事があるよ

それは

嫌われる事恐れて言いたい事言えないでいるうちに

自分を無くしてるんじゃないの、って事

ただそれだけ

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