第7話 ただひたすら優しい世界

虹を渡ってビルの屋上に行こう


ビルの屋上からダイビング


翼は私を運ぶ


鳥の目で見た景色はすみれ色と白とペールオレンジにレモンイエロー


どこか遠くのもう一つの世界で


私は楽しく暮らしている


不思議なその人は、パンダみたいな色彩


私にパフェを勧めてくる


そして何も喋らない


言葉が要らない世界のようだ


やたら優しすぎるその人は、どこかの世界では酷く打ちのめされたようで


歩けなくなっていた


私はその疲れ切った人を


猫に運ばせた


猫は60ッ匹


猫はゼリー色


色彩が分解して霧散して世界は再び真っ白になる光

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