第47話 軋む心の音

怒る人を見て

悲しい気持ちになった

あれは心のきしむ音だよ

弱い人間の出す声


許さない

謝れ

逃げるな卑怯者

説明してみろよ

学校出たんだろ


想像してごらん

この文字だけの表現の場で

真実がどのくらいあるのか


いい人と思われたい人がいて

怖い人だと思わせたい人がいて

かわいい子供だと思わせたい

大人がいるじゃないか


どこに真実があるというんだろう

何も分からないのと変わらない

ただ

印象的な風景があるだけ

なんじゃないのかい


どこに

人の真実の姿が

あると

いうのかい

そんなものはどこにもない

あるのは

そう見せたい人の

欲望があるだけ

なんじゃ

ないのかい


弱い人間が今日も

怒っているよ


謝れ

真心こめて

納得するまで

まだまだ足らない


どこまで

行けば気が済むの

もう

いいんじゃないの

みんなそう変わらないんだよ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る